イケメン一家の末っ子ちゃん２～ARS～ (ページ35)

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＊67＊向かいながらページ35

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私たちは翔にぃの運転で、目的地である動物園に向かった。

道中、助手席に座りながら、さっきの女将さんとのやり取りを話すことにした。

「あのね翔にぃ、さっきお風呂で女将さんに会ったんだ」

翔「うん？…それで？」

私は体を少し翔にぃの方に向けた。

「私…昨日部屋から出て行く時の女将さんの顔が気になってたんだけど…その理由を聞いたの…」

翔「あーあれね、俺も少し気になった。今の今まで忘れてたけど…苦笑。てか何でAが泣きそうな顔してんだよ…どした？」

翔にぃはチラッと私を見て、眉毛をさげてちょっと困った顔をすると視線をまた戻した。

翔にぃの一言に、ずっとモヤモヤしていた何かが弾け、ぶわっと涙が溢れた。

私が泣いても意味ないのに…泣きたいのは女将さんの方なのに…。

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和「Aちゃん、何泣いてんのよ？笑」

潤「俺らにも話して？A」

そんな私に気づいて、後部座席からにゅるっと顔を出した、和にぃと潤にぃ。

「実は…女将さん、１０年前の昨日、娘さんを事故で亡くして……もし…生きてたら私と同い年だったんだって…」

一瞬、言葉を失うにぃに達。

和「そう…でも泣く程のこと？」

「でも私…そんなこととは知らずに悩み事あるなら聞きますよ～なんて言っちゃって…」

まるで、ちょっとコンビニに的なノリできいちゃったんだもん…(←え？そんな！？)

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潤「Aらしいな…笑。でもそんなAだからこそ、女将さんは話してくれたんじゃない？」

「そう…なのかなぁ……。しかもね…その子も…Aって名前だったって……なんだか他人事に思えなくて…」

翔「そ、そんな偶然ってあんだね。でもAが泣いたら女将さん、きっと悲しむよ？」

信号待ちをしながら、優しく微笑んでくれる翔にぃ。

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和「そうだよ。これも何かの縁だとして、Aに出来ることは、Aが笑顔で幸せに生きていくことなんじゃない？まぁ泣くなとは言いませんよ」

後ろから、頭をポンポンしてくれる和にぃ。

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潤「きっと、幸せそうにしてるAと、その娘さんの姿を重ねたんだろうな。」

潤にぃは、ふぅーっと息を漏らしながら後ろに寄りかかった。

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