イケメン一家の末っ子ちゃん２～ARS～ (ページ17)

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◇雅にぃ３◇ ページ17

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バタバタと足音が聞こえると、息をきらした雅にぃが戻ってきた。

雅「クッキー！A、クッキーは！？」

きゃぅ～ん…

“まーくん…”

雅「クッキー…ごめん…。さっきの奴ら逃げられちゃった…」

雅にぃが、優しくクッキーを撫でた。

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“いいんだよ……。”

“僕が悪いの……遊んでもらいたくて…噛んじゃったから…”

「クッキー…」

私はもう、涙でぐしゃぐしゃだった。

くぅ～ん…

“Aちゃん…。はじめて食べたパン…おいしかった……ベッドも…嬉しかったよ……。”

“僕…すっごく幸せだったよ…”

雅「クッキー！病院連れてくから、死なないで！」

「そうだよ！やだよ…！クッキー、がんばって！」

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“Aちゃん……まーくん……だいすき……”

“…あり…が…とう……”

「クッキー！？クッキー！！」

小さな小さなクッキーは、私の腕の中で旅立った。

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それから雅にぃと私は…泣いて泣いて、どれくらい泣いたかな？

空が暗くなりはじめた頃、ようやく泣き止んで、神社の端の方にクッキーを埋めてあげた。

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雅にぃが、手を合わせながら言った。

雅「A…俺…クッキーの事、一生忘れないよ…」

「うん…忘れない…」

雅「Aのお陰で幸せだったって。今頃、天国で駆け回ってるよ…」

「うん…またいつか…天国で会いたいな…」

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ジワッとまた涙が溢れた。

そんな私を見て、雅にぃが優しく抱きしめてくれた。

雅にぃのお腹の辺りを、涙でぐしょぐしょにしちゃっても、雅にぃは私の頭を撫でてくれた。

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雅「ねぇA、今きっとクッキー心配してるよ？Aちゃんが泣いてる～ってさ」

「だって…っひっく……でも…ぐすっ…」

雅「ほら、笑って？A、ニーッ！ふたりでクッキーにありがとうって言おう！」

「ありがとう…？」

雅「そ！俺らもクッキーから幸せ貰ったよね？だから言わなきゃ！」

「うん…そうだね…」

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そして、二人でニーッて笑った。

雅「ありがとう！クッキー！」
A「ありがとう！クッキー！」

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雅にぃと私、真っ赤な目で天国のクッキーを想う。

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いつか…またね…って。

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◇小さい時の話◇
雅にぃ編

＜終わり＞

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