黒 ページ5
【もっと甘えて】
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高校生活が上手くいっていない。
新しい友達が出来たと思って一回昼休みに一緒に座ったら、その日から無視されるし。
結構話しが合う男子と友達になったと思ったらビッチと呼ばれ、放課後に残って先生に勉強教えてもらいながら自習したら"いい子"ぶってると言われ。
イジメかな、
そう思い、前は正直泣いて眠れない夜もあった。
今はもうぼっちだと言う事を受け入れている。
良く言ったら楽しいくらい。
唯一クラスの中で喋るのは女子と話すのが苦手な横山くん。
「高校生活って思ったより楽しくないね」
と一回言ったことがある。
横山くんは私がイジメられていた事を気づいていたかは分からない。
でも『おぉ』とは答えてくれた。
-
最悪。
髪から滴る水滴を見つめながら思う。
ため息をつきながら水が入っていた青のバケツを蹴飛ばす。
"調子乗ってんじゃねーよ"
泣く気にもなれず、堂々と学校を後にした。
行くところもなく、ブラブラと歩いているといつの間にかコンビニに着いていた。
「横山くん？」
見慣れた顔を見つけ、びっくりして声をかける。
『うわっ！Aちゃんやん、びっくりした...って何でびしょ濡れなん？？』
「分かんない」
コンビニの外へと横山くんに引っ張り出される。
『やっぱり...イジメ？』
重い言葉を口にする横山くんの顔は歪んでいた。
その言葉に反応した私は痛々しいくらいの笑顔で答えた。
「どうなんだろう？やっぱりそうかな？そうでも横山くんは私の友達でいてよ〜笑」
横山くんは横目で私の顔を見て、
『水色の下着透けてんで』
「うそ！」
『嘘。』
その言葉と同時に私の濡れて冷たい体は横山くんの腕の中に埋もれる。
『もっと助け求めーや。もっと俺に甘えろよ』
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作者名：せり丸 | 作成日時：2017年5月30日 8時
