不倫の話。 (ページ9)

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Chapter 8 ページ9

日差しが眩しくて目が醒める。

○○くんの寝息が聞こえ、彼を見ようと寝返りを打つ。

『ん～』

彼は目を擦るが、起きようとはしない。

「○○くん可愛い」

『ん』

寝ぼけている彼が一番好きなのはまだ変わらない。

「起きて、隆平の所に帰るから」

『んーいや』

○○くんは私の腰にもっときつく手を回し、首元に顔を埋める。

まだ昨日の出来事を○○くんに言っていない。

旦那の事や、隆平の事。

言ったらこの関係が終わりそうで怖い。

旦那と別れたのなら、もうこの関係はいらない。

そう言われそうで。

「○○くーん、ちょっと離れて」

『嫌。昨日何で泣いてたか教えてくれたら離す』

私の心を読んだような口調。

私の体が強張ったのを感じたのか、頭をゆっくりと撫でてくれる。

『そんな嫌なこと起こったん？』

彼の優しい声を聞き、ポツポツと私は話し出した。

「ーだから今日隆平の家に行かなきゃならないの」

『そんな辛いことが起こったんや。ごめんな』

「○○くんのせいじゃないよ」

『でもあの男マジで腐っとるな』

「うん」

『ほんで、あの男とどうすんの？』

聞きたくなかった文章をスラッと言う○○くん。

「あの、ね」

『ん？』

「一応..別れた」

『離婚届出したん？』

「あ」

『アホか』

色んな事が一気に起こったから完璧に忘れてた、そう言ったら彼は鼻で笑った。

『ほな、俺らのことはどうすんの？』

「俺ら？」

『お前と俺の関係。初めて会った時言うたやん。お前が旦那いる限り俺はお前の相手したるって。』

「う、ん」

『Aはどうしたいん？』

彼の手に浮き出る血管をなぞりながら考える。

「まだ、○○くんと一緒にいたい。」

『俺の事好き？』

そう彼に聞かれ、答えがすぐ出ない。

○○くんはそれを理解して私を抱きしめる。

『ごめん。反応見てみたかっただけ。まだ俺の側におって』

彼の言葉を聞いて涙が出る。

こんな私を求めてくれるんだ。

そう思い○○くんをもっときつく抱きしめる。

『ほな離婚届出しに行くで』