不倫の話。 (ページ6)

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Chapter 5 ページ6

『...て言う事やし、明日は亮ちゃんの所な～』

「え？」

『ちゃんと聞いといてや～！これからAは俺ら7人の家で一週間ごと交代して住むってこと』

「いやいやいや、お人好しすぎるよ！無理だってそんなの！迷惑かけるし」

『迷惑なんてかけへんし！むしろ俺らはメッチャ嬉しいし、Aと一週間ごと一緒に住めるんやもん』

「でも！」

『却下！もう決まった事やし。やから明日から一週間亮ちゃん家やし』

住む所がないのも困るけど、皆んなと一週間ごと交代で一緒に住むって...

もっと困りますよ、隆平さん。

『Aは？』

「ん？」

『嬉しいん？』

隆平の心配そうな顔を見ると顔が緩む。

「うん。ありがとう」

『良かったわ～！』

隆平が嬉しそうに立ち上がった瞬間にドアのベルが鳴った。

『誰やろ？』

そう言いながら彼は玄関のドアを開けた。

『○○さん？』

聞きなれた声が聞こえ、体が凍りつく。

隆『帰れ』

『いやいや～、まさか俺の部下が貴方の元○○○とは知らなかったよ！住所と名前全部教えてくれたよ』

旦那だ。

『ところでさ、○○さん。俺の嫁がお邪魔してないかい』

隆『帰れ』

『冷たいね～○○さんは』

ガンッと鈍い音が響く。

隆『帰れ言うてるやろ』

『殴るほど俺のことが気に入らないか？あぁ！？』

旦那の怒鳴り声が聞こえ、その後すぐにガシャンと何かが割れる音がした。

たまらなく玄関へと走る。

「隆平！」

彼は割れた鏡の破片の上に倒れていた。

隆『A..来たらあかん』

『うぁぁぁ！』

旦那は鏡の破片を拾い、隆平の腕へと刺す。

隆『いっっ！』

血が吹き出て、隆平が自分の腕を庇うようにうずくまる。

「もうやめて！！出て行って！」

旦那をドアの方向へと力一杯押す。

彼は私の腕を掴み、玄関からリビングへと引っ張られる。

「離して！」

力一杯彼の腹を蹴ると一瞬だけ彼が私のを掴む力が緩み、私は隙を見て携帯を手に取り寝室へと走る。

寝室に入り、出来る限りにドアを中からブロックする。

携帯を震える手で持ちながら一番最初に浮かんだ彼に電話をかける。

『もしもし、A？どしたん？』

「亮ちゃん...助けて」