不倫の話。 (ページ22)

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Chapter 21 ページ22

何かが軋む音に目が覚めた。

身体中が痛い。

ゆっくりと目を開けると、隆平のくすんだ茶色の色の目が私を見下していた。

『もう起きたんや、もうちょっと寝といて欲しかったなぁ』

隆平はそう言い、私の唇を親指でなぞった。

私は彼の手を払おうと腕を動かそうとするが、指だけが微かに動いた。

出来る限り頭を動かし、下を見ると自分がビリヤードのテーブルに括られている事に気付いた。

「何..なのこれ..」

『んー、ちょっと生意気な子猫ちゃんにお仕置きしようと思っただけやで？』

私がまた口を開き、喋ろうとすると、彼は猿轡を取り出し、微笑んだ。

『これちょっとはめといて、子猫ちゃんなんやし、静かにしといて』

そう言い隆平は私の口を無理矢理開き、猿轡を突っ込んだ。

いきなりの事で抵抗出来ない私を見て彼は笑った。

『まあ、俺だけが悪者って言うわけちゃうで。』

隆平は微笑んで、部屋のドア開け、誰かに手招きをした。

『ゲストの皆様に拍手を！』

彼は意味分からない事を怒鳴り、私を見てまた微笑んだ。

『丸、お前世界観可笑しいやろ』

聞きなれない声が聞こえて目をドアの方に向けると背の高い黒髪の男性が笑いながら隆平の肩を叩いていた。

私と目が合うと黒髪の男は笑うのをやめて、私の方へと歩いて来た。

『丸、この子か？』

『おん、可愛いやろ』

『可愛いけどこんな性格やったら損やな』

そう言い黒髪の男は隆平を見て目を細めて笑った。

『おい丸！他のゲストも紹介しろや！』

隆『あそっか、忘れてた』

隆平はまたゆっくりとドアを開け、見覚えのある男を無理矢理部屋の中へと引っ張った。

『扱い悪過ぎるやろ！』

「忠義くん？」

ビックリした表情で一瞬私を見てから微笑んだ。

『あ、Aちゃん。カクテル美味しかったやろ？』

そう言い、大口を開けて笑う彼。

忠義くんを見ているとだんだん腹が立ってきて、私は彼を睨みつけた。

『何や、A？ゲストの方に失礼やろ』

隆平は私の頬を叩いた。

忠『あーあ、可愛い顔が台無しや』

『別にかまへん、あ！横山くん、他のゲストも連れて来て』

横『俺には当たり強いねんなぁ』

横山くんと呼ばれた彼は首を傾げならドアを開けて、他のゲストを手招いた。