不倫の話。 (ページ19)

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Chapter 18 ページ19

『出かけるん？』

今日は隆平と会う日。

いつもより化粧にこだわっている私に亮ちゃんは声をかけた。

「んー、今日はね先輩の送別会だから、いつもより遅くなると思う」

私がそう答えると彼は目を細めて微笑んだ。

『えー、結婚記念日やのにぃ！まぁしゃあないか。じゃあ俺も一人で晩飯食べんの寂しいし、章ちゃんと飲みに行くわ。』

私はもう一回謝り、マスカラに手を伸ばした。

亮ちゃんは部屋から出て行く時にふと立ち止まった。

『あのさ、』

私は自分の姿を鏡で見ながら、息を止めた。

隆平の事を言われるんだ。

そう思い、目を瞑ると

『章ちゃんがまたAと飲みたいって言ってたで』

ふぅーと私は止めていた息を吐いた。

「んーそっか、しばらく一緒に飲んでないしね。また連絡するって伝えといて」

『おん』

亮ちゃんは私の頭を撫でてから部屋をゆっくり出て行った。

彼が部屋から出て行った瞬間に

ピリリ

と携帯が鳴った。

携帯の画面には"隆平"という名前が浮き出ていた。

画面を指でなぞり、隆平からのメールを開ける。

『Aって今一人で住んでんの？』

その言葉をしばらく見つめた後返事をゆっくりと打った。

「ううん、旦那と住んでるよ」

送った瞬間に既読がついた。

『ほなそいつにA今日帰れへんと思うって言うといて』

彼の言葉にビックリして、急いで返事を打つ。

「何で？」

『泊まるんちゃうん？』

彼の誘いに私の�茲が火照った。

「..いいの？」

『嫌やったらいいけど』

「嫌じゃない」

『ほなそう伝えといて』

私は自分の携帯を手に握りしめながらため息をついた。

長い夜になりそう。