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教えてくれたあなたに ページ9
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和「俺の店なんて、面白くないよ？(笑)」
あ「いいの。行ってみたい」
今も涙が出そうなのを息を止めて堪える。
和「しゃーねーな…(笑)」
フライパンを動かす音に紛れて和が言った。
下ではパリの人たちが、夕方の街を歩く。
こんなに穏やかな時間は、いつぶりだろう。
和「いいでしょ？パリ」
あ「うん、素敵だと思う」
そんな短い会話にさえ、少しドキドキして。
この時間が果てしなく続けばいいのに
と本気で願った。
キッチンに立つ和と窓の外を交互に眺めては、次の話を探すけど、
長く続きそうなタネは無くて
気付いたときには、もうご飯が出来上がっていた。
和「食べよ」
あ「うん。ありがとう」
和「感謝しろよ？」
あ「何が(笑)そっちこそ、感謝してよ？」
二人でクスクス笑って、憎まれ口を叩いていると
あたしのお腹が盛大に鳴って、
和が爆笑しながら“いただきます”と言った。
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作者名：杏仁豆腐 | 作成日時：2013年6月16日 23時
