バースデーケーキ【Kazunari.N】～30th Birthday～ (ページ2)

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おめでとうページ2

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うっ…そ。

目の前に、和がいる。

和「なんで…って思った？」

あ「思ってるよ…え、なんで？」

和「翔ちゃんにAのこと頼もうとお願いしにきたの」

あ「あたしたち、もう別れたじゃん」

沈黙が流れる。

すると、櫻井先輩が眉を下げて笑って

翔「これからフランス行くんだよ、ニノ」

和を見ると、頷いた。

あ「…フランス…？」

和「そ、今日の飛行機だから」

あ「え、聞いてないよ…」

和「別れたんでしょ？」

あ「そうだけども…」

だからか、お店が空っぽだったの。

和「どうする？」

あ「何が？」

和「お前も来る？」

あ「フランスでしょ？行けないっての！」

翔「こっちは大丈夫だよ？(笑)」

和が手をプラプラさせて、あたしを見る。

あ「行けないよ？」

和「やり直さない？俺ら」

文脈が繋がってなくて、意味が分かんなくて

だけど、あのブラウニーの味があたしを締め付ける。

和「もっとちゃんと話そうよ、俺ら」

翔「ニノ、そろそろ時間じゃない？」

チラッと和が腕時計を見た。

和「じゃ、行ってきますわ」

あ「え、ねぇ！」

とっさに引き留めたけど、和の茶色の目に吸い込まれそうになる。

和「…待ってるよ」

和があたしのおでこにキスをした。

今の言葉の意味は分からないけど

分かってる、あたしたちはそれだけで充分なんだって。