The secret of contract 4* (ページ20)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:15,379 hit

１７０* ページ20

～和side～

Aの身体を抱きしめる。

少しだけ体温が熱い気がするのは寝起きのせいだろうか。

Aの白い首筋に犬歯を刺す。

「んっ・・・」

Aの体が小さく震え、俺の服を掴む。

久しぶりのせいか、貧血のせいか、

Aの血がたまらなく美味しく感じて

持って行かれそうになる。

「っはぁっ・・・」

Aの体が痙攣して大きく震えた。

どうやら果ててしまったようだ。

このまま吸血してしまえば、Aの体力にもかかわってくるだろう。

俺は首筋から牙を抜き、傷口に優しく口づけをした。

久しぶりにAの血を感じてそのまま意識を持って行かれそうになった。

花月族の血は本当に危ない。

ぐったりと俺に倒れるA。

少々吸血しすぎてしまっただろうか・・・。

「ありがとね。A」

「いえ、お力になれて良かったです」

彼女はそう言って立ち上がろうとするが、しゃがみこんで

床に倒れそうになるところを抱きかかえた。

「・・・大丈夫？」

彼女の身体は先ほどよりも熱を帯び、顔が赤くなっていた。

俺はAをベッドにおろし、体温計を持ってくる。

「・・・ごめんなさい。ご迷惑をかけてしまって」

「ううん。大丈夫だよ。こんな状態なのに吸血させてもらってごめん」

ベッドの端に座り、Aを見守る。

ピピッと体温計が鳴り、見せてもらうと38.5°あった。

「・・・薬飲めば何とかなります」

そう言ってAは起き上がろうとする。

「だめ。休んでて。

今日は俺一人でスケジュールこなすから。

昼も帰ってくるから」

「ですが・・・」

「病人は何も心配せずに寝る。

マネちゃんが手掛けたタレントなんだから大丈夫です」

俺はそう言って彼女に布団をかけてあげた。

「すみません・・・。今日はおひとりでお願いします」

「ん。とりあえず、朝ごはん作ってくるから待ってて」

そう言って俺はキッチンへ向かった。

-------------------------------------------------