The secret of contract 4* (ページ18)

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家に戻ると、部屋は真っ暗だった。

そうか・・・まだ和さん仕事なんだっけ。

ベッドに寝転び、和さんの帰りを待つ。

佐倉さんや春次さんに言われた言葉を思い出す。

“敬三様の遺志を継いでいただけませんか？”と。

社長は春次さんであるが、代表取締役会長は祖父である。

その祖父が亡くなった今、その席が空いてしまった。

祖父は生前、”俺が死んだらこの役職はAに

譲りたい”と言っていたらしい。

祖父の遺志は大切にしたいが、あたしにはマネージャーの

仕事があるのだ。

しかし、その席が空いたままであると三浦財閥の存続にかかわる。

一体どうすれば・・・。

考えているとドアが開く音がした。

あたしは玄関まで走り、和さんに抱きつく。

「・・・ただいまA」

優しい声色であたしの頭を撫でながら言ってくれる和さん。

たった数時間和さんの近くにいなかっただけなのに、

その間に色々なことが起こりすぎて頭の中がいっぱいになっていた。

和さんを抱きしめているだけで考え事も、不安ごとも全て消え去っていくようだ。

「早かったね。Aの方が遅いだろうと思って

お弁当買ってきちゃった」

「あ。すみません。ありがとうございます」

「・・・まずご飯食べようか。お話はそれからしよう」

和さんは何かを察してくれた様子だった。

きっと今話しても上手く話しがまとまらず伝えたいことを言えないだけだと

分かってくれたのだろう。

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～雅紀side～

「A様を送ってきました」

佐倉さんが俺に伝えてくれた。

「ありがとう。佐倉さん」

「・・・どうなさるのですか。敬三様の後継者は」

佐倉さんは心配そうに尋ねる。

「父は何と言っているのかな」

「春次様は、Aお嬢様を後継者に

考えているようですが・・・」

「偽装結婚とは伝えてあるのだろう？」

「えぇ。ですが、敬三様の遺志を尊重するため

このまま三浦財閥として受け入れたいとのことで。

近々、春次様から直々にお話があると思います」

「分かった。今日のところは、休むことにするよ。

父にもそう伝えておいて」

「承知しました」

・・・父は敬三様に心酔している。

だからこそ敬三様の遺志を尊重させてAさんを

代表にしたいのだろう。息子の俺が後継者になるという

考えはないのだろうか・・・。

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