The secret of contract 4* (ページ1)

今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:15,380 hit

１５１* ページ1

安心する香りに包まれながら目を覚ます。

和さんの腕の中であたしは眠っていたらしい。

眠る前の記憶を手繰り寄せるが、あまり思い出せない。

確か・・・和さんの過去を知るために翔さんに会って・・・。

だめだ。そこからの記憶が全くない。

「・・・おはよう」

ふっと優しく目を細めて笑う和さん。

「あの、あたし・・・昨日・・・」

「いいよ。仕事に遅れちゃうから

準備しないと」

「でも・・・」

「・・・夜にゆっくりお話しさせて」

何事も無かったかのように和さんは起き上がり、

準備を始める。

あたしも急いで準備を始めた。

----------------------------------------------
～和side～

本当は今すぐにでも真相を聞きたかった。

でもまだ冷静になれそうにないから、

今聞いたらきっと感情に任せてAを

怖い目に遭わせてしまうだろう。

それに、仕事にも支障が出てしまう。

俺の人生がかかった舞台公演日が近いのだ。

仕事に支障を出す訳にはいかない。

幸い、今日の仕事は夕方で終わるため、

ゆっくり時間が取れるだろう。

Aは不安そうに俺の顔を見る。

「・・・大丈夫だよ。色々事情があったんでしょ？」

俺は優しくAの頭を撫でた。

彼女は俺のために、翔さんに会いに行ったのだから。

だから・・・彼女を怒ったり問いただしてはいけない。

分かってるんだ。

でも今すぐにでも、翔さんに触れられた部分を全て消毒したくて

たまらない。

----------------------------------------------