夢桜４* (ページ47)

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部屋に入った途端、ベッドに押し倒される。

「ちょっ・・・ちょっと待ってくだ・・・んんっ」

口づけられ、強引に口を開けさせられる。

いつもの優しい和さんとは違う。

こんな愛され方嫌だ。

着ていた服も強引に脱がされ、胸元に痛みが走る。

和さんは首元にも唇を寄せる。

「いやっ・・・・」

あたしは和さんを突き放ししてしまった。

和さんは我に返った様子であたしを見つめる。

「A・・・」

和さんは何かを言おうとするが、あたしは和さんを突き放した

罪悪感に居たたまれなくなり、部屋を飛び出す。

廊下をしばらく走るとトイレが見えて、トイレに駆け込む。

乱れた衣服と呼吸を整える。

あんな愛し方・・・いつもの和さんじゃない。

だからと言って突き放すのも良くない。

ちゃんと話を聞くべきなのにどうしてあたしは・・・。

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～和side～

Aに突き放され、我に変える。

目の前に見えるのは、乱れた褥。

俺は一体なんてことを・・・。

樹君に嫉妬したから、Aは俺の女だと刻むために

強引にしてしまったのか・・・。

「何やってんだよ俺・・・」

俺は壁に拳をぶつける。

Aの気持ちも考えず俺の一方的な思いだけを

突き通そうとしたのか・・・。

Aは俺のことを好きって言ってくれているのに。

和さんだから好きになったと言ってくれたのに。

彼女はあまりにも魅力的だから誰かに取られてしまうんじゃないかと

不安になってしまう。

こんな何の取り柄もない俺なんて簡単に捨てられるんじゃないかって。

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トイレから出ると、樹先輩がいた。

「あれ。Aちゃん。どうしたの」

「いえ。ちょっとお散歩しようかなと」

「一人で？和さんは？」

「今は、一人でいたいんです」

あたしはそう言う。

「俺はこんな状態のAちゃんを一人にしたくないから

側にいるよ」

「いえ。本当に何もっ・・・」

言葉を遮られるように樹先輩に強く抱きしめられる。

「俺が勝手にやってることだからAちゃんの意思は

関係なし」

「先輩・・・」

「俺にだって少しは甘えてよ。俺を困らせるぐらい

甘えなよ」

先輩の優しい声。

「先輩の優しい所変わりませんね」

あたしは言うと、樹先輩はふっと笑う。

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