夢桜４* (ページ39)

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研究室から出て、再びキラキラとした町へと戻る。

「お嬢！ぱんけぇきというものが食べたい」

目をキラキラとさせて言う孝之さん。

「和さんと翔さんは何か食べたいものはありますか？」

「へいせいのかすてらが食べたい」

翔さんは言う。

「俺はぱんけぇきというものも気になるし、かすてらも食べたい。

あと、あの旗に書いてあるそふとくりぃむというものも気になる」

そうだった。和さんは甘党だったんだ。

「分かりました。今日はとりあえずパンケーキ食べて、カステラは

買って帰りましょう。ソフトクリームが添えてあるパンケーキにしましょう」

三人の目がキラキラと輝く。

普段、人斬りと呼ばれるほど恐ろしい人たちとは思えない。

近くのカフェに入り、ソフトクリームが添えられているパンケーキを

注文した。

「ここは・・・何？」

翔さんがキョロキョロとしながら言う。

「ここはカフェと言って甘味処みたいなものです」

「かふぇか。またすごい名前だ」

江戸では、あたしが知らないことばかりだったけど、

平成ではあたしが一番詳しく知っている。

少しそれが誇らしい。

店員さんにソフトクリームがついているパンケーキを注文した。

「本当に江戸とここは全く世界観が違うんだね」

和さんが言う。

「はい。だからあたしも初めて江戸に行ったとき、戸惑うことばかりでした。

だから和さんに声をかけてもらえなければ今頃どうなっていたか」

「出会えてよかったよ」

和さんは優しく笑いながら言った。

「俺だって」

「俺も」

翔さんも孝之さんもそう言ってくれた。

本当にみんなに出逢えて良かった。

「それで、江戸は今頃どうなっているだろうか・・・」

翔さんがぼそりと呟く。

「確かに」

孝之さんも考え込む。

「あぁ。倒幕派は作戦を実行してしまっているだろう。」

和さんが言う。

「任務遂行失敗ということになるんだよね」

翔さんがため息をつく。

「依頼人はどうしたものだろうか。

でも依頼人は不明なんだろう？」

孝之さんは言う。