夢桜４* (ページ29)

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「例の依頼の件だけど、予定では明日の夜となっていたが俺の調べによると

一日ずれて今夜に変更になったらしい。今夜、同行してもらっても良いかな」

「はい」

そうか。あたしは華屋の菫として再び潜入するのか・・・。

「俺もその任務に同行していい？お嬢と和戻ったんだね」

後ろから孝之さんが話しかける。

「はい。無事戻りました」

あたしは言う。

「孝之さんにも頼もうと思っていた。俺と翔中心で、倒幕派を消していくから

孝之さんはAを守りながら倒幕派を消してほしい」

「了解。お嬢は今夜、遊女の服着るの？」

「その予定ですが・・・」

「でもあれ煌びやかで動きにくいから今夜は控えておいた方がいい。

いつでも逃げれるように動きやすい服装の方が良いかもしれない」

孝之さんが言う。

「でもそうとなると、遊女役として同行するAが行く意味がなくなるんじゃない？

俺はできるだけ安全なところにいてほしいから出来れば同行してほしくないけど」

和さんは言う。

「あたしは普通の小袖で潜入して、小田をひきつけます。小田はあたしと一夜を

共にしたと錯覚しているので連れ出せると思います」

あたしが言うと孝之さんは驚いた顔をする。

「お嬢・・・なかなかの戦略を言うね」

「でもそうしないと、あたしが行く意味はありませんから・・・。

小田は主格である津田の次ぐらいに偉い人物です。最低小田だけを消すことが

出来れば倒幕派の行動を抑えることが出来るでしょう」

「・・・お嬢さん。任せていい？」

「はい。もちろんです。お三人方の力になれるのなら」

「俺が命に代えてもお嬢の身を護る。だからお嬢はお嬢の考えで

作戦を実行して」

「はい。分かりました」

「華屋に潜入するのは、日没する少し前ぐらい。

また潜入時間が近くなったら収集をかけるよ」

翔さんがそう言って、とりあえず解散となった。

和さんはため息をついて、あたしの腕を掴み、部屋に連れ込む。

「・・・無理しすぎ」

低い声でそう言う和さん。

真剣な表情。低い声。