夢桜４* (ページ28)

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～和side～

夜風に当たるために部屋から出る。

愛しいのに触れらない。この体じゃAをどう愛せばいいのか

分からない・・・。

愛しい人の体で俺自身を愛すということが出来ない。

早く元の体に戻らないだろうか・・・。

部屋に戻り、Aの横に寝転がる。

後ろからAを抱きしめた。

「和さん・・・？」

寝ぼけたように言うA。

「ん。おやすみ」

髪に優しく口づけをした。

「おやすみなさい」

幸せそうに言うAの声を聞いた後、俺はゆっくり目を閉じた。
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鳥の鳴き声が聞こえ、目を覚ます。

お腹の辺りに手があり、後ろを振り向くと和さんだった。

あれ。自分の体に意識が戻ってる？

「ん・・・A？」

和さんは驚いた顔をする。

「もとに戻ってる！」

顔を見合わせてあたし達は言う。

予定では明日戻るはずだったがなぜか一日前の今日戻ることができたらしい。

「これで存分にAに触れることができる」

「朝から何言ってるんですか和さん」

そう言うと和さんは嬉しそうにあたしを優しく抱きしめる。

「やっぱ俺はこうしてAを抱きしめるのがいい。

こうやってAのぬくもりと感じられるのが幸せだ」

「和さん・・・」

和さんの方に向き直り、胸に顔をうずくめた。

「あたしもこうやって和さんのぬくもりを感じるのが幸せです」

「今夜は存分に楽しませてね？」

耳元で和さんが囁いた。

あたしは恥ずかしくて下を向いた。

「・・・我慢してたからずっと」

「そんなの・・・あたしもですよ」

そう言うと和さんはふふっと笑った。

「和？起きてる？」

部屋の外から翔さんの声が聞こえた。

「行ってきてください。あたしは、褥畳んでおきます」

「あぁ。ありがとう」

和さんは部屋から出た。

でも本当にもとに戻って良かった・・・。

褥をたたみ、一息つくと、部屋の外でお嬢さんと呼ばれた。

「はい」

あたしは部屋から出た。