夢桜４* (ページ27)

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「おかえりなさい。和さん」

「あぁ。ただいま」

自分の姿に和さんというのは違和感があるが、中身が和さんだから

和さんと呼ぶしかない。

「お疲れ様です。お茶淹れますね」

「ありがとう」

「翔さん。孝之さん。おやすみなさい」

あたしは翔さんと孝之さんに声をかけて、和さんと共に部屋に戻った。

部屋に着くと和さんはふぅとため息をついた。

「Aの体に傷をつけないか心配でたまらなかった」

「傷一つぐらいつけても大丈夫ですよ。和さん以外見せない肌ですから」

そう言った後、自分がとんでもない事を普通に言った事に気付く。

「ん？」

一人で顔を赤くしているだけだった。和さんは何も気づいていない。

あたしは黙ってお茶を湯飲みに注ぐ。

「どうぞ」

「ありがとう。なんだろうね。

俺しか見ないからこそ傷をつけたくないんだよ。大切な人だから」

ふっと笑みをこぼした和さん。ちゃんと聞こえてたんだ・・・。

「愛しい人に触れられないと思うとなかなか辛いものだなぁ・・・」

和さんは困ったように言う。

「ねっ・・・寝ましょう？！夜も遅いし！！」

あたしは急いで褥を準備する。

あたしだって触れたいし触れてもらいたい。

でも今の状態ではそんなの無理だから。

「先に寝てていいよ？俺は少し調べものがあるから」

「いえ。そういうことならあたしも待ちます」

そう言うと和さんは黙る。

「・・・何もわかってないなぁ本当に」

和さんは用意した褥にあたしを押し倒す。

「今一緒に寝たらおそってしまいそうだから寝ないって言ったの」

顔を赤くする和さん。

「この体では存分にAを愛せないから触れることができない。

早く薬の成分が抜けてしまえば愛せるのに・・・」

和さんは優しくあたしの頬に触れた。

「このままじゃ俺の理性持たないから先に寝てて。ごめん」

「そういうことなら・・・すみません。お先に」

あたしは先に床に入る。

和さんに触れられた部分は熱を持っていた。あたしはゆっくりと目を閉じた。

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