夢桜４* (ページ25)

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「え？」

「いや、気にしないで。

お嬢は和のどこを好きになったの？」

唐突すぎる質問。

「全部です」

「全てを捨ててまで和の側にいたいと思ったんだね」

「はい。前いた場所も楽しかったんですけど

あの場所にはもう自分の居場所がない気がして。

あたしのいるべき場所はここだと」

「へぇー・・・。お嬢はここに来る前、どこにいたの？」

「ずっと遠い場所です」

きっと未来から来たなんて言っても信じてもらえないだろう。

「遠い場所・・・。俺たちが知らない遠い場所なのかな？

どんなところなの？」

「賑やかな場所でした。お店もたくさんあって・・・」

「へぇ・・・お店がたくさんね。金平糖とか売ってたのかな」

「いえいえ。パンケーキとか」

「ぱんけぇき？」

目を丸くして聞き返す孝之さん。

現代を思い出して色々と言いすぎてしまった・・・。

「えっと・・・」

「随分と賑やかな町だ。今度連れて行ってね」

楽しそうに言う孝之さん。

「連れて行きたいけど無理なんです。もう戻れないんです」

「馬使えばすぐに行けるところじゃないの？」

「・・・時を超えてやってきたんですあたし」

嘘だと笑われてもいいからそう言ってみる。

「未来人？」

「はい」

「・・・だと思った。お嬢さんここの時代の人ではないと思っていたよ。

それかだいぶ遠く離れた町出身か」

「え。分かりますか？」

「うん。なんとなくね」

孝之さんは笑う。

「じゃあ未来の話聞かせて。この時代はこれからどうなって・・・」

「服装がまず、洋装中心になります。

連絡手段が文ではなくて、機械で遠く離れた人と話せるようになります」

そう言うと目を輝かせる孝之さん。

「それはすごいな・・・。未来でも刀は残ってる？」

「刀は歴史を表す重要な物として大切に保管されます。

刀を交わす時代は終わります」

「へぇ・・・俺たちが当たり前に持つようになるのは

刀ではないのか」

「そうですね。持ち運べる情報電子機械みたいなものになります」

「きかい？」

なるべく伝わるように言葉を崩して説明する。