夢桜４* (ページ2)

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稽古場の襖が開く。

「和にお嬢さん！？」

驚いた顔で言う翔さん。

「あの・・・稽古場はそう言う所では・・・」

気まずそうに言う翔さん。

「そんな事分かってる。稽古してたんだよ」

「稽古！？何で？」

翔さんは驚きを隠せない様子。

「守られてるだけは嫌だからあたしもみんなを助けたいと

和さんにお願いをして、稽古をつけてもらったんです」

「そういうことね・・・。それで稽古はどうなの？」

「うん。現世で稽古をしたことがあるらしいからね。

身のこなしはなかなかだったよ」

「へぇ・・・。手合せ願いたいな」

翔さんはニヤリと笑う。

「え？」

あたしは思わず聞き返す。

「あの・・・あたしまだ・・・」

「手合せも稽古の一つだよ。お嬢さん。

和をかけて」

「俺？俺をかけても何も・・・」

和さんは驚く。

「お嬢さんが勝ったら和を好きにしていい。その代り、俺が勝ったら

一日和を借りる。お嬢さんは俺たちに付き添えない」

「そんな馬鹿な賭けが「やります」」

「A！？」

あたし自身もとても驚いたが和さんの言葉に重ねるように

やると返事をしてしまった。

和さんは唖然としている。

「その勝負。乗りました」

翔さんに勝てるわけがないが黙って和さんを一日翔さんに

奪われるわけにもいかない。

翔さんとあたしは竹刀を構える。

「手合せ、開始」

和さんの声と共に手合せがはじまった。

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～孝之side～

「お加減はいかがですか？孝之様」

弥彦が様子を見に来てくれた。

「あぁ。だいぶ良くなった」

まだ傷は痛むが視界が歪むということはない。

「白風の刀に少々毒が塗られておりまして・・・」

「だろうな。傷だけでは視界が歪むはずがない」

そう考えると信之は本気で俺を殺しにかかったと言える。

信之の中でも俺は死んだ存在になっているのだろう。

「まだお休みになっていてください。

解毒剤を溶かした茶を置いておくのでゆっくり飲んでくださいね」

「あぁ。ありがとう」

弥彦は近くに茶を置いてくれた。