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「ジャージ持ってきてるよね？」
「うん。持ってきてる」
「じゃあ、あっちの更衣室で着替えてきて」
「はーい」
和君に言われた更衣室で持ってきたジャージに着替える。
更衣室には、野球部の備品などが置いてあった。
ジャージに着替えた後、置いてあったボールに触れる。
よく和君とキャッチボールしたなぁ・・・。
そんなことを思い出し、笑みがこぼれる。
「A−？」
更衣室の外から和君の声が聞こえ、あたしは急いで外に出た。
「まだ時間あるし、キャッチボールしない？」
和君があたしにグローブを渡した。
「うん。いいよ」
和君からグローブを受け取った。
「久しぶりだね。キャッチボールなんて」
和君が言いながらボールを投げる。
「あたしは小学生以来。ソフトボール部入ってたから」
あたしもそう言いながらボールを投げる。
「中学でもソフト続けなかったの？」
言葉と同時にボールを投げるのが続く。
「中学なかったんだ。」
「そうなんだ。それは残念」
「うん。３年も投げなかったら腕が鈍っちゃって
高校でできないと思ったから、高校にソフトあっても
入ろうとか思わなかった」
「全然腕鈍ってないよ。上手い」
「和君もね」
「あ。二宮先生って呼びなさい」
「幼馴染なのに先生って呼ぶの変」
「俺が先生やってなかったらもう会えなかったよ」
「まぁね。でも何で、ここの高校に？」
「母校だから」
「へぇ・・・。和君もここの卒業かぁ」
「うん。昔の井桜高校は甲子園に出場できるぐらい
強かったんだよ。今は、まぁまぁ強いけど
甲子園に出れるレベルじゃないらしい」
「甲子園での試合見たい」
「テレビでやってるよ？」
「違うの。井桜高校野球部が甲子園で試合やってるのが見たいの」
「頑張るよ。Aがマネージャー引退する前に
見せてあげる」
「楽しみにしてる」
和君とあたしの約束。
「あれ。監督達、キャッチボールですか？」
ユニフォームを着た部員に話しかけられる。
「あぁ。俺たち来るの早かったから」
「へぇー・・・。監督。横の子はマネージャー？」
「うん。マネージャーだよ。」
「一年一組の田内Aです。おねがいします」
「よろしく。俺は３年２組の小木琢磨。
野球部の部長をやっています」
「小木先輩。おねがいします」
「うん。よろしく」
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作者名：黒猫* | 作成日時：2014年5月6日 17時
