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和君に渡された紙に大きく「全国制覇。」と書いた。
「ずいぶん大きな夢を・・・」
和君は苦笑いを浮かべながら言う。
「夢は大きくもつものだから」
「次は・・・」
キョロキョロと次の仕事を探す和君。
「和君？誕生日なのに仕事しないといけないの？」
「そうだよ。誕生日なのに仕事しないといけないの」
和君は深いため息をつきながら言う。
「頑張ってね」
「頑張るよ。後、お願いしたいんだけど・・・
このプリントの提出確認してくれる？」
和君に渡されたプリントと名簿。
仕方なくその仕事をやることにした。
それにしてもずいぶんな量だ。
「和君。このプリント溜め込んでたでしょ？」
「あ。ばれた？」
ふふっと笑う和君。
仕方ない教師だ。和君、教師やっていけるのかなー・・・。
少しだけ和君の教師としての未来に不安を感じた。
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〜和side〜
しばらく仕事に打ち込んでいて
数時間があっという間に経っていた。
「A−？」
横を見ると仕事をすっかり終わらせてすやすやと
眠っているAの姿。
椅子からAをソファにうつす。
本当に無防備すぎる。
眠ってる姿はこんなに可愛いのに、なぜあの時は
あんなに大人っぽかったのだろう。
ふとシャワー室での出来事を思い出す。
Aの表情に自分が抑えられずAに触れてしまった。
思い出しただけで恥ずかしい。
あの声。あの表情。
俺以外にしてほしくない。
あの時そう思った。俺たちは仮の恋人関係なのだから。
本当はそう思っちゃいけない。
正式に付き合ってはいないし、あんな行為をしてはいけない。
もちろん、幼馴染とはいえ教師と生徒の関係には違いない。
でも・・・。
本当にAが愛しい。大切だ。
眠っているAの頬にそっと口づけをした。
Aが卒業するか、俺がここの学校を離れるか。
どちらかになったら俺たちは正式に付き合える。
だからその時まで。
俺は待ってるよ。
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作者名：黒猫* | 作成日時：2014年5月6日 17時
