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「Aもいつの間にか女性になってたんだね」
和君は言う。
「え？」
「いつまでもAの事、子供って
思っちゃいけないね。Aもあんな表情を
するまで大人になったなんて・・・。
俺以外の男にあんな顔見せたらだめだよ？
すぐ襲われちゃう」
和君がぬれたワイシャツを脱ぎながら言った。
「ほんと、大人になったんだねぇ・・・」
和君はあたしの上から下までじろじろと見る。
「和君のバカ」
恥ずかしくて体を隠す。
「誰かなー？和君になら触ってもらいたいって言ったのは」
和君は意地悪な笑みを浮かべた。
何も言えなくてただあたしは下を向くことしかできなかった。
「ごめん。冗談だって。
和君がいいって言ってもらえたのは本当に嬉しかったよ？」
和君はあたしを優しく抱きしめた。
あたし達は脱衣所で服を着た。
和君は替えのシャツが職員室にあるということなので
腰にタオルを巻いて職員室に向かった。
和君が本当に大好きだから迷惑をかけたくない。
ストーカーの事なんて話したら和君絶対心配するし、
何とかしてあたしを守ろうとしてくれる。
あたしがストーカーに変な事したら、和君の教師人生も
危うい。
誰に相談しようかな・・・。
考えているとふと本郷先輩の顔が浮かんだ。
本郷先輩ならきっと良い策を考えてくれるはず。
あたしも服を持って職員室に向かった。
「うわ。まだ仕事が残ってたんだ」
職員室に入り、和君が仕事をしているのを見て
思わず口に出る。
「そうだよ。教師は仕事が多いの」
パソコンの画面を見ながら言う。
「何の仕事？」
「んー・・・。生徒の個人情報処理」
「あたしのもあるの？」
「もちろんあるよ。
でも住所とか覚えてるよ。同じマンションだし」
「頑張ってねー」
「んー」
和君はかけていたメガネを取りレンズを拭く。
「手伝ってほしいんだけどさすがに無理だからなぁ・・・」
ちらっとあたしの方を和君は見る。
「クラスの子の個人情報は無理だね・・・」
あたしが言うと和君は「あ。」と言う。
「これからの野球部の目標考えて？」
「え？それは・・・」
「マネージャーでもできる」
自慢げに笑う和君に仕方なくあたしは
頷いてこの仕事をやることにした。
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作者名：黒猫* | 作成日時：2014年5月6日 17時
