２７* ページ27
ほんとあたし何言ってるんだろう・・・。
自分の気持ちを伝えたら、和君困っちゃうよね。
服に着替え、髪を乾かし、着衣所を出た。
「和君。あたし急いで荷物持ってくるね」
「大丈夫なの？今のところ、雨はやんでるけど・・・」
和君は心配そうに聞く。
「うん。学校から家近いし、もうストーカーなんて消えてるよ」
ただ夜風にあたって火照った体を冷やしたいだけなのだ。
周りは薄暗くてやはり怖い。
だが、あたしは家に向かって歩いて行った。
-----------------------------------------
〜和side〜
Aが、保健室から出て行ったのを見送った後、
俺はため息をついた。
"「・・・和君ならいいよ」"
Aの言葉が頭に響く。
俺はあの時、Aの体に触れそうだった。
そのまま、生徒にしてはいけないことを
してしまいそうだったのだ。
頬が赤くなっていくのが自分でも分かった。
Aは仮にも、自分の持つクラスの生徒だし
関係を持つなんて禁じられている。
職員室に戻り、仕事を再開して色々な事を忘れようと思った。
-----------------------------------------------
自分の部屋に着き、荷物を持って再び学校へと向かう。
行きは、不審者はいなくて安心して行けたので
帰りもいないだろうと油断して帰っていた。
「動くな」
突然、首に誰かの腕がまきついてきた。
真っ暗で誰なのかよく見えない。
それにマスクをしていて顔が半分しか分からない。
でも男性だという事だけは分かった。
「地面に大人しく座れ」
気が付けば、腕は縄でしばられていて身動きがとれない。
最悪な事に携帯を持ってきていない。
「井桜高校の野球部マネージャーだな？」
あたしは黙って頷く。
「そうか。今から俺が何をやっても騒ぐな。
騒いだらひどいことしてやる」
「いったい何をっ・・・」
男はあたしの前に来て、着ていたジャージのファスナーを開ける。
「ちょっと・・・」
「騒ぐなと言っただろ」
男に睨まれてあたしは何もいう事ができない。
怖い・・・。足が震えて立ち上がることができない。
ジャージを脱がされ、Tシャツの中に手を入れられる。
「っ・・・」
怖くて声も出なかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 185人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒猫* | 作成日時：2014年5月6日 17時
