２５* ページ25
重なる和君の唇。
たった一度だけの過ちならまだ止められるはず。
和君への気持ちが溢れ出る前に凍らせてしまおう。
でも口づけを交わせば交わすほど無理だなって思う。
床に押し倒されて和君の顔を見る。
「もうこれ以上はできないよ。
・・・一応先生と生徒だから」
和君の「一応先生と生徒だから」の言葉が胸に突き刺さる。
和君に触れられた部分が熱い。
きっとあたし達は同じ気持ちなんだ。
好きなのに恋人になれないもどかしさが「好き」とたった一言の
言葉を言わせないのだろう。
「和君・・・どうしてあたし達はこんな形で
再会しちゃったんだろう」
「好き」と言えない切なさに涙が溢れてくる。
「泣かないで？再会できたこと自体
奇跡なんだから」
和君が差し出した手を握り、あたしは起き上がった。
「さっきの事は二人だけの秘密だから」
和君は言った。
「うん」
付き合っていないとはいえ、先生と生徒がキスしたと
学校にばれれば、和君はここの学校を離れることになってしまうだろう。
あたしもおそらく停学か退学。
あたし達が普通の先生と生徒の関係なら何でも上手くいくはず。
叶わない恋だけどあたしは和君の事諦められないみたい。
「少し寝れば落ち着くよね。
毛布持ってくる」
和君はそう言って職員室から出て行った。
そっと唇に触れる。
和君とキスしちゃったんだ。
彼氏もいたことがなかったし、もちろんファーストキス。
和君がファーストキスの相手なら嬉しい。
「お待たせ」
和君はピンクの毛布を手に職員室に入ってきた。
「シャワー浴びたいよね？
保健室のシャワー室借りようか」
「うん」
和君と共に保健室に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 185人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒猫* | 作成日時：2014年5月6日 17時
