幼馴染先生。 (ページ19)

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夕食を食べ終わると何だか急に眠くなってきた。

「和君。ソファ借りるね」

近くにあったソファに座り目を閉じた。

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～和也side～

食器を食洗機に入れ終わり、持ってきた仕事をしようと

思ってソファに置いてあるかばんを取りに行く。

ソファには眠っているAがいた。

艶のある黒髪。長いまつげ。くっきりとした二重。

形の良い唇。

小さい頃もAは可愛かったが、今も可愛いなぁ。

時々、教師と生徒の関係をやめて幼馴染という関係に戻りたくなる。

いや、正直に言えばAの彼氏になりたいと思う時がある。

お互い再会した時、教師と生徒という関係でなければ

俺はAに恋に落ちていたのだろう。

でも、教師と生徒という関係で再会してしまった。

教師という立場がAへの気持ちにストッパーをかける。

彼氏がいた時はないって言ってたっけ。

まだAは、純粋なのか。

まだ誰にも触れられていない。

なぜ俺はこんなにほっとしているのだろうか。

幼馴染としてだろうか。いや。何か違う気がする。

俺はAを決して好きになってはいけない。

あの１０年前のAへの気持ちを溶かしてはならない。

１０年前、俺はAが好きだったのだ。

絶対この気持ちは押えないといけないんだ。

そう思っているのに、俺はそっと眠っているAの

おでこにキスをした。

ただAはふにゃっと可愛くニヤけるだけ。

本当に無防備すぎて笑える。

Aにとって俺は、ただの幼馴染。ただの担任。

ただの監督。

だからこの関係がいつか恋人になることはないだろう。

Aにそっと毛布を掛けて俺は仕事をはじめた。
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ふと目を開けると、和君がパソコンで仕事をしているのが見えた。

体には毛布が掛けられていた。

「あ。起きたの」

優しい笑顔で和君はあたしに聞いた。

「本当、無防備すぎだよ」

ふふっと笑いながら和君が言った。

「だって・・・」

「俺だって男なの。分かってる？」

和君はメガネを外してネクタイを緩めた。