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部活終了のチャイムが鳴り、部員たちは和君の前に集まった。
「部活お疲れ様。
先ほども言ったように、明日は刈山高校と７時から練習試合なので
ウォーミングアップもしたいから６時にこのグランドに集合で。
一年生は、初心者が多いと思うから野球のルールを知る絶好のチャンスだと
思うので絶対に参加してください。体調不良等で休みたい場合は
６時までに学校に連絡してください。以上です」
「ありがとうございました」
部長が言って部員たちが後に続いて言った。
「田内ー」
和君に呼ばれて側に行く。
「はい」
「俺が言い忘れてたのが悪いんだけど、
部活日誌これから書いてね。
今日は俺が書いておくから」
「分かりました」
「あー・・・あと、荷物持ってジャージのまま
正門で待ってて」
「えっ？何で？」
「刈山高校に挨拶に行かなきゃいけないんだけど、
一人じゃ嫌だからついてきて？」
「一人じゃ嫌って・・・」
「刈山高校の部活の雰囲気を掴めるから
良い機会だと思うよ！」
「・・・分かりました」
和君に説得され更衣室に荷物を取りに行き、
正門で和君を待った。
「お疲れ様ー」
和君を待っている間、何人もの先輩たちとすれ違った。
「あれ？Aちゃん。どうしたの？」
えま君があたしに声をかけた。
「二宮先生が、刈山高校に挨拶に行くって言ってたから
あたしも刈山高校の野球部の雰囲気見に行こうかなーって思って」
「さすがマネージャー！ばっちり掴んできて！」
「はーい。えま君。バイバイ」
手を振ると、えま君も手を振り返してくれた。
「あの子は田内ちゃんの彼氏君？」
「いえ。違います。
あなたは・・・？」
「あ。初めましてかな。
俺は、ファーストの本郷稀李。
用事があったら３年２組に来てね」
背が高く顔立ちも整っている。
「あの子は・・・一年生の新入部員かな？」
「えま君ですか？」
「へぇー・・・えま君ねぇ・・・。
彼氏？」
「違います。えま君はクラスメイトです」
「そっか。でも、田内ちゃん可愛いから
彼氏いそうだけどなぁ・・・」
「いませんよ」
「でも、ここは男子多いしすぐできるよ。
あと忠告。男子集団の中で女の子一人だったら
危ないからね？じゃあね」
手をひらひらと振りながら本郷先輩は帰ってしまった。
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作者名：黒猫* | 作成日時：2014年5月6日 17時
