悪魔は、すぐそこにいる (ページ3)

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最近、俺らの高校で噂になっている“路地裏の悪魔”

…三年前、この高い廃ビルから飛び降りた男の子がいた

飛び降りる直前電話した記録もあって、遺書もあって

目撃者もいて、ビルには彼の荷物もあった

飛び降りは、確かにあったはず

けれど、彼は見つからなかった

痕跡も一つもなく、すべてが幻だったかのように消えた

そこから、呪いのように次々と飛び降りが増え、

ここは“呪いの場所”となっていった

……その目撃者が一年後に、ここへ来た

去ろうとした時、彼の声が聞こえて振り返ると

うっすらと見え、恐る恐る近づくと

また幻のように消えていた

その二日後、その目撃者は飛び降りた

そこからだろうか、噂が広まっていったのは

今Twitterで広がっている噂は、だいぶ丸くなっているし間違ってる

俺は、その当時に知ったから本当のことを知っている

「翔馬くん、俺のこと知ってるんだ」

「…噂で、ちょっと」

悪魔、っていうか普通の男の子に見える

もっとおぞましい姿をしてるかと思ってた

ていうか、なんで…

「俺の名前、知ってるんですか？」

俺は一言も喋ってないし、知り合いでもない

「え、悪魔だから」

……答えになってないような、気もする

悪魔だと、国民の名前全員知ってんの？

「平塚翔馬、18歳、忍者高校三年生

○○区、友達は黒田光輝など、家族構成は」

「もういい！」

……人の個人情報をここまで知ってるって

…怖っ、

「ん？」

…人の心までは、読み取れないらしい

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