人間に落第した女神様 (ページ36)

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第33話ページ36

そして、ふわりとひびきが離れた。私達は、ひびき達を見ていた。ふわりに皆が寄って、ふわりを励ましていた。ふわりは、私にこう言った。
「ひびきさんの事、よろしくね。A。ひびきさん、Aを守ってあげて。そしたら、きっと…。きっ…と。」
涙を流しながら言っているふわりに、みんながふわりを必死にサポートしていた。ふわり…。ありがとう。
「A、ひびきさん…。少しの間でいいから、外に行ってくれるかしら？私達、ここで待ってるから。Aと、話してきて。」
「ああ、ありがとう。」
「さよなら。私の初恋…。」
と、ふわりがそう言ってるように聞こえた。私は、ひびきと共に外の草に座った。沈黙が続いたが、ひびきはずっと、私の手を繋いでくれた。心強かった。ひびきという存在が。そして、ひびきがこう言った。
「こんな形で再会するとは…思ってもいませんでした。そして、本当に…なんと謝ればいいのか…。」
私は、ひびきの手にこう書いた。
『普通に話していいよ』
「ですが…。」
『ね？』
と言って、ひびきを説得した。
「まぁ、僕のミューズの事ですから、遠慮なく。……君を見ていると、昔の事を思い出すよ。あの日…初めて見た…美しい存在を。なのに、僕は…君を嫌ってしまった。本当に申し訳ないと思っている。……それに、まさかAが女神とは、最初は信じられなかったが…。だが、君は少し変わったが、変わらない所もある…。歌声とか…そういう綺麗な所とかね。」
ひびきは、私の手を強く握った。
「Aは…。声を失くなったのに、どうしてそんなに笑っていられるんだい…？」
……笑ってる…。それは…。