ようこそ、先生!【駆 リオン】 ページ40
「音楽担当、駆リオン! みんな、僕の舞台へようこそ!」
職員室に響く大声、既に居る先生は僕を見る。
これはいつもの事。でも今日は少し違った。メリルさん――『マジックドールアカデミー 学園長』の目の下に隈が出来ている事と、見慣れない顔が、新入りの先生が居ることに今気付いた。
「ひ、ひいっ……」
新入りの先生の一人は怯えている。その先生の方に近付く、後ろから。ムードメーカー駆リオン、本領発揮といこう!
「わっ!」
「きゃっ!」
この人、まだ怯えてる…… 逆効果だったかな?
「体の震え、止まりました…」
声を発した先生の顔を見やる。落ち着いた表情にホッとする。
「えっと、きみの名前…… なんだったっけ?」
「木戸、アヤノと言います…… リオンさん、ありがとうございます」
「アヤノちゃん、だね!」
向き直ってお辞儀をされる。少し照れくさい。
「それにしても、もう僕の名前知ってるなんてアヤノちゃんはスゴいや!」
「職員室に入る時に名前を言っていましたから……」
「僕は一回聴いただけじゃ覚えられない。きみ、頭良いんだね」
「…そんな、私、魔法教師としては新入りで、まだ教壇にも……」
「魔法教師!? きみはあの難関だっていうあの試験を突破したって言うの!? それに魔法教師は魔法使いの中の魔法使い、一流の証だよ? もっと自分に自信持と? なんて、魔法使えない僕が言っても意味無いカモだけどね」
「魔法、使えないんですか?」
「そう、僕は魔法使えないんだ、頭も良くないから、学園に居るのはこの体のおかげさ!」
両手を広げて大袈裟にポーズを取る。
「ふふっ…なんだか、緊張が取れました」
アヤノちゃんが真っ黒なミディアムショートをセーターの生地にふわりと絡ませて、クスクスと笑う。アヤノちゃんは笑うととてもかわいい。この子の良い所をまたひとつ見つけた。
その様子を他の先生達やメリルさんが、暖かい目で見守っている。
「ようこそ、木戸アヤノさん! このマジックドールアカデミーへ!」
そういった途端、職員室中に歓声が広がる。
それからあっという間に入学式が始まった。そしてその後、事件が起きた。
『僕のこの体』が試されるときが来た。
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な@い@ふ(プロフ) - すみません、元参加者で、ラルトリー・リミックスで参加していた者ですが、関連づけを消すのを忘れてしまったので更新します、大変申し訳ございませんでした… (2020年5月30日 2時) (レス) id: 23fc6faa00 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ - 続編へ移行です! (2019年11月29日 20時) (レス) id: 3588ccbe80 (このIDを非表示/違反報告)
はるかぜリンゴ(プロフ) - リンゴさん» 分かりました。更新に戻りますね! (2019年11月29日 19時) (レス) id: c609ea125f (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ - はるかぜリンゴさん» 続編はもう準備出来ているので大丈夫です! (2019年11月29日 19時) (レス) id: 3588ccbe80 (このIDを非表示/違反報告)
はるかぜリンゴ(プロフ) - 続編って作った方が良いですか? (2019年11月29日 19時) (レス) id: c609ea125f (このIDを非表示/違反報告)
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