【魔法使いと人形の学園生活】ようこそ！マジックドールアカデミーへ！

私の叔母様【フウカ　フランティーヌ】 ページ12

入学式、普通誰しもが心踊るイベントだろう。だが、私は“とある”理由で今日から気が重い。

「はぁ〜」
「なに？フウカどうしてため息ついてんの？ 今日からスターさんと同じ学校行けるのに！」

私の人形“シエロ”はやや上ずった声で言う。“スターさん”これは私の叔母様の人形の名前だ。そう、私の気が重いのは、この叔母様が原因なのだ。

「叔母様が学園長やってる学校にどうして行かなくちゃいけないのよ…」
「あ、それか！ もう今日は入学式だし、そういうこと考えず友達作ること考えなよ」
「“友達”ね〜…」

なんせ私は叔母様の姪。当然友達作りも苦手だ。それなのに叔母様が、学園長となると絶対浮いて友達出来ないよ…。

「…フウカ、考えてるところ悪いけどもう行く時間よ」
「え」

急いで時計を見る。ヤバい、急がないと遅刻する！只でさえまだ通学路慣れてないって言うのに…！

「はっやっく〜！」
「シエロはいいよね！遅れても気付かれ憎くて」
「いや、スターさんいるからソッコーでバレるよ！」
「あ、そっか」

私は、急いで駆け出した。

……着いた。なんとか間に合った。
【マジックドールアカデミー】に

クラスを急いで確認して、教室まで駆け上がる。

「入学早々、忙しいね〜」
「ホントに、なんで」

若干息を切らしながらシエロに答える。

教室のドアを深呼吸してから開けた。
すると、私ではない「おはよう！」という声が聞こえた。
もちろん、シエロでもない。
「…おはよう」と返しながら声が聞こえた方向を向いた。

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