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加州から離れ、Aは、胸元から護符を取り出した。


そして、転移装置の操作板の近くにそれを貼り付け、霊力込めた。


「これで、ここは安全になった。

私が帰ってくるまで守り続けてくれる。

昔のような事にはならない。

私が保障しよう。

だから、大丈夫だ」


「主……」


大和守が悲しげに眉を下げた。


Aは努めて明るく言った。


「これからも元気でやってくれ」


「行きましょう」


こんのすけが、瞳を潤ませながら言った。


「ああ」


「行かないで!!」


背中に、叫びを受けた。

振り返ると、乱が泣きながら叫んでいた。


「あるじはボクたちが守るから、だから!!」


乱に乗って、薬研も言う。


「大将、俺っちからも頼むぜ。ここにいてくれ」


「乱、薬研。

二人には世話になってばかりだった。

でも、その願いは聞き入れられないんだ。すまない」


それに続くように、次々と声が上がる。


「あんたは、俺たちを置いていくのか?」


「山姥切。

そんなつもりはないよ。でも、行かなきゃ皆を守れない」


「そんなの、僕たちなら大丈夫です」


「そうだぜ!大将が思ってるより、俺たちはうんと強いんだからな!」


「それに、私たちはいつも戦場から生きて帰ってきているんだ」


「小娘一人守るくらい、造作もないこと。見くびってもらっては困る」


「五虎退、厚、江雪、宗三。

危険な目にはあってほしくないんだ。だから、わかってくれ」


「いままでさんざんなめにあってきたんです!!いまさらなにをいっているんですか!!」


「そうだ、主。ここにいればいい」


「今剣、岩融。

そういう訳にもいかないんだよ。私は、罪を償わなくてはならない」


「なら、俺たちだってそうだよ」


「そうです。主がどうしても行くと言うのであれば、私も、ご同行します」


「ならば俺もだ。俺も四人殺した。罰を受けるには十分だ」


「……加州、一期、三日月。

お前たちは、自分の身を守るためにやったことだ。

私は、命令されたと言うだけで数え切れないほど殺した。

お前たちが感じる罪と私の罪は違う。

付いてくる必要はない」

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あき(プロフ) - 華音さん» こんにちは。ありがとうございます!とっても嬉しいです。修正したいのですが、時間があまりとれないので、どこがどう間違っているのかも一緒にお伝えしていただきたいです(^^;)読みづらかったとは思いますが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました! (2021年9月16日 12時) (レス) id: aa37dea49f (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんわ☆初めまして!面白くて感情移入しながら一気読みしてしまいました(^ν^)ただ、所々ですが誤字脱字や一文字抜けている部分がございましたので見直してみて下さいね。 (2021年9月13日 22時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 一気読みしました!最後の最後に感情を取り戻した呪術師審神者は幸せに暮らせてるといいですね! (2020年2月5日 17時) (レス) id: b5fce10f2a (このIDを非表示/違反報告)
ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 架音さん» いえいえ。今まで読んでいただき、ありがとうございました。 (2019年9月15日 10時) (レス) id: 71334657d1 (このIDを非表示/違反報告)
架音(プロフ) - 遅くなってしまってすみません。最終話まで読ませていただきました。とても感動しました!素敵な作品をありがとうございました!更新お疲れ様でした。 (2019年9月14日 22時) (レス) id: 28682758c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あき | 作者ホームページ:    
作成日時:2019年4月23日 22時

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