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「では、行ってくる」
Aは、門の前に立ち、見送り……もとい、引き留めるために集まっていた刀剣男子たちを振り返りながら言った。
皆、様々な表情をしていた。
不安、悲しみ、怯え。
だが、『行かないでほしい』という気持ちは、皆同じように持っているようだった。
「頑張ってくれていたのに、すまないな。私は、人に成り切れないようだ」
申し訳なく思いながら言った。
価値観が人間のそれにすることができない。
わからない。
感情が表に出てこない。
うまく表現できない。
『心』が見つからない。
「そんなこと……」
加州が言おうとして、Aがそれを手で制した。
『慰めの言葉はいらない』というように。
その代わりに、ほほ笑んだ。
Aなりの、精いっぱいの笑顔だ。
短刀たちのように、太陽のように笑うことは、結局叶うことはなかった。
「もっと沢山、話したかった」
別れの言葉を並べていく。
在り来たりにならないようにしたいが、私の語彙では無理なようだと、Aは思っていた。
「もっと沢山、遊びたかった」
ここにいれば、きっといつかは人に成れただろう。
皆、救ってくれたAを信じ、慕い、恩返しをするために、力になろうとしてくれた。
その頑張りのおかげで、きっと人に成れた。
Aも、人に成ろうと思えた。
『人間』でありたいと思った。
だが、それは、もはや叶わぬ夢というものになりつつあった。
「もっと沢山、一緒に食事をしたかった」
何でだ。
どうしてだ。
Aのなかに、混乱が生まれていた。
胸が痛い。
締め付けられる。
苦しい。
つらい。
どうして、こんな感情が溢れ出るのだ。
「もっと沢山……」
言葉が詰まる。
Aの頬を、何かが伝った。
触れるとそれは、透明な液体だった。
これが『涙』か。
空を知った鳥のように、喜びが沸き上がった。
また、一歩人間に近づくことができた。
「主……」
「おかしいな……」
涙が止まる気配などなく、自分の意志とは無関係に流れていく。
悲しいとは、こんな気持ちなのか。
締め付けられるような胸の痛み、苦しみをしみじみと感じながら、そう思った。
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あき(プロフ) - 華音さん» こんにちは。ありがとうございます！とっても嬉しいです。修正したいのですが、時間があまりとれないので、どこがどう間違っているのかも一緒にお伝えしていただきたいです(^^;)読みづらかったとは思いますが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました！ (2021年9月16日 12時) (
レス) id: aa37dea49f (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんわ☆初めまして！面白くて感情移入しながら一気読みしてしまいました（＾ν＾）ただ、所々ですが誤字脱字や一文字抜けている部分がございましたので見直してみて下さいね。 (2021年9月13日 22時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 一気読みしました！最後の最後に感情を取り戻した呪術師審神者は幸せに暮らせてるといいですね！ (2020年2月5日 17時) (レス) id: b5fce10f2a (このIDを非表示/違反報告)
ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 架音さん» いえいえ。今まで読んでいただき、ありがとうございました。 (2019年9月15日 10時) (レス) id: 71334657d1 (このIDを非表示/違反報告)
架音(プロフ) - 遅くなってしまってすみません。最終話まで読ませていただきました。とても感動しました！素敵な作品をありがとうございました！更新お疲れ様でした。 (2019年9月14日 22時) (レス) id: 28682758c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あき | 作者ホームページ：
作成日時：2019年4月23日 22時
