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�� ページ31
檜山side
目に涙いっぱい溜めながら
部屋を飛び出して行ったA。
喧嘩相手の湧はさっきまで怒っていたのに
今は心配そうな顔でAが出ていった扉を見つめている。
檜「心配？」
湧「…。」
声には出さないけどその表情から反省が読み取れる。
檜「何があったの？」
湧「あいつ、共演者に連絡先聞かれたらしい」
檜「なるほど」
湧「教えようとしたらしくてマネが止めたって」
この間のバラエティの収録か…。
Aも危機感もてって言ってるのに本当に純粋。
世の中いいやつだけじゃないって何回教えたことか。
檜「心配なのは分かったんだけど」
湧「ん」
檜「その、湧が怒ってる理由Aに伝えた？」
湧「…ない」
それだろ。と言うと、
さらに落ち込んだ顔になった湧。
たまにする喧嘩は相手のことを思ってのことが多い。
今回も湧が心配しすぎて空回りしたらしい。
湧「あ〜、A大丈夫かな？！」
檜「青木がいるから大丈夫」
湧「うわ、またやったわ俺」
檜「撮影までには仲直りしろ」
湧「どうしよう檜山！」
さっきまでの剣幕で怒っていた表情はどこへいったのか。
どうしよう、どうしよう。
と、部屋の端から端までを往復する湧。
檜「すぐ戻ってくるよ」
*
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作者名：大谷
| 作成日時：2023年4月14日 13時
