恋の魔法 *２ (ページ28)

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side / ryusei

「Aちゃんがおれのことすきなの、魔法をかけたからなんだよ」

シラフでもなかなかに変なことを言ううっちーくんだけど、今日は特別変だ。

お酒、強くない癖にいつもよりもペースが早いし。

何だか目も潤んでる気がする。

「うっちーくん意外とロマンチック？なんだね」

「ううん、そういうおまじないとかじゃなくって、ほんとに」

「どういうこと？」

「Aちゃんは、元々湧のことが好きだったの、だけどねおれが魔法掛けて、無理矢理好きになってもらったんだよね」

そんな話あるわけない。

まるでお伽噺のようだ。

人間なら誰だって心変わりはするんだから、

湧くんが初恋だったけど、何かのきっかけでうっちーくんのことが好きになったんじゃないの？

「ふーん？」

「信じてないでしょ？」

「だって、そんなの。Aさんが心変わりしたんじゃないの？」

「ううん、中学3年生の時ね、Aちゃんに魔法を掛けたら……次の日から、Aちゃんがおれのことを見てくれるようになったの」

Aちゃんが湧のこと好きなの知ってたんだけど、急に俺を見る目が変わったからびっくりしたんだ、

と懐かしむように遠くを見つめるうっちーくんを見たら、本当の話のような気がしてきた。

「どんな魔法をかけたの？」

「ふふ、やっと信じてくれた？」

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