恋の魔法 *２ (ページ26)

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恋とか、愛とかってなんなんだろう。

そんなことを、おれの腕の中ですやすやと眠るAちゃんの寝顔を見ながら考える。

Aちゃんに恋をして、20年近くが経ったけれど。

Aちゃんに与えているのは愛なのか。

「Aちゃん、」

寝ているAちゃんに声をかけたって何も返っては来ない。

「……もう、おれのこと好きなの辞めてもいいよ」

あの時と真逆のセリフ。

ずっとおれの気持ちは変わらないけれど、目が覚めたらAちゃんへの魔法、……いや、呪いが解けていてくれれば、と自分勝手なことを思った。

結局は自分が傷つきたくないだけ。

* *

『……ん、あれ、』

「Aちゃんの負けでーす、」

『え？何が？』

もう9時だよ、とベッドサイドに置いてある目覚まし時計を指差すと、Aちゃんが遅刻？！と飛び起きた。

今日、祝日なのにな、と思ったけれど面白いから黙っていることにした。

『そうちゃんも、早く準備しな……、今日休み？』

「うん、そうだよ」

『うーわ、そうちゃん酷い』

「きらいになった？」

『そんなことできらいにならないよ』

「……うん、」

『何その顔、』

Aちゃんの呪いは簡単には解けない。

『そうちゃんのこと好きだよ』

好きが、苦しい。

そんなことを、思ったのは初めてだ。

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