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side / waku
Aに言ったことを颯太に隠しておくのはずるいな、と思って颯太を呼び出した。
「湧どうしたの？そういえば湧にもお土産あげる！」
「ありがと」
「……あのさ、Aちゃんになんか言った？」
「……お前ぼーっとしてるように見えるけど鋭いよな」
「Aちゃん限定だよ」
ちっちゃい時からずっと好きだったから分かるよ、と恥じらう様子も無く言い放った。
Aは、颯太のこういう素直なところが好きなのだろうか。
颯太はAに対して‘可愛い’だとか‘好き’だとか真っ直ぐにぶつけていくから。
昔から颯太が羨ましかった、……柄じゃないとか言ってAに対して思ったこと全然伝えられてない。
「で、何言ったの？」
「俺、N大目指してるんだけど」
「家出ていくの？」
「うん、Aと颯太が一緒にいるのを見てるのしんどいから」
「……そっか、」
「Aのこと好きなの辞めようって思ってんだけどまだ無理みたいなんだよね、……まあ、颯太にはバレてると思うけど」
「……うん」
「そんで、N大、Aの行きたい学部あるから一緒に行かない？って言った、」
「……だからAちゃん迷ってたんだ」
「でもAは俺を選ばないと思う」
一度だって選ばれた試しがない。定員が二人になればAは颯太を選ぶ。
颯太が‘Aちゃんと一緒がいい’と言えばAはいつだってそれに応じた。
大人ぶってたけど、本当は譲りたくなかった。
「Aちゃんが湧と同じ大学に行くって言うんなら、……別れるよ、」
Aに関して絶対に引かない颯太が泣きそうな顔でそう言った。
なんだよその顔、Aが好きなのは颯太なのに。
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作者名：モモ
x他1人 | 作者ホームページ：https://twitter.com/nininin___2n2n
作成日時：2020年10月10日 10時
