恋の魔法 *２ (ページ2)

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side / you

修学旅行があるから、二年生はほかの学年よりも先に中間考査期間に入る。

テストの有無に関わらず勉強をしなくてはならない受験生の私とテスト期間のそうちゃんは図書室で勉強して帰ることにした。

おれの家でいいじゃん、って言われたけれど、

家に連れ込まれればきっとそういうことになって、勉強時間が削られるのは目に見えている。

「Aちゃんここ、」

『これは補助動詞？本動詞？』

「……どっちでもいいと思う」

理系はむしろ一個下のそうちゃんにこっちが教えてもらっているけれど、文系、特に国語がからっきしだめだ。

普段から話してて何言ってるのかわからない時があるからまあ、そうだろう。

『赤点一個でも取ったら修学旅行行けなくなるんでしょ？』

我が校の恐ろしいのは、二年生の後期中間テストで赤点を取ったら修学旅行に行けなくなる、というところだ。

去年のこの時ばかりは湧もしぬほど勉強してたな、と思い出した。

真面目なそうちゃんが赤点を取ることはないだろうけど。

「別におれ修学旅行行かなくてもいいもん」

『……はいはい、行ったら結局楽しいんだから頑張ってね』

「キャリーケースにAちゃん入れていこうかな」

『入んないから』

わざと赤点でも取ってしまうのではないかと思ったけど、そんなことは無く、

数日後、無事、……というか余裕で平均点以上を取った答案を見せてくれた。

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