恋の魔法 *２ (ページ1)

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side / you

　

「うっちーくんびっくりするくらいA先輩のこと好きっすよね」

『……そうなのかな』

「うん、たまにドン引きしますよ」

『引かないであげてよ』

「うっちーくんが教えてくれるから、全然話したことないのにA先輩の可愛いとこいっぱい知ってます」

そうちゃん、深田くんに何話してるんだろう。

すぐに辞めて欲しい。

「そういえば、この間の約束まだ使えますからね」

『私が困ってる時に助けてくれるってやつ？』

「そ、何か困ってることあります？今、」

『今、深田くんにどうこうしてもらえるのはないから、まだ温存しとく』

「三回まで可能なんで、」

いつでも頼ってくださいね、とやっぱりヘラヘラ笑った。

……頼りにならなそー、って思ったのは内緒。

「そういえば、まもなく修学旅行じゃないですか」

『ああ、うん、そうだね、楽しみ？』

「俺は、楽しみにしてます」

俺は、と強調するように言われて、引っかかった。

わざわざ主語を使わなくたって意味は伝わるし、俺は、ということは他の人、……そうちゃんは？

「うっちーくんは、行きたくなさそうっすね」

『え？修学旅行とか一大イベントじゃん』

「‘だってAちゃんいないんだもん’、って話し合い全然参加してくれないし、別にいいんですけどね？」

『もしかしたら深田くんに助けてもらうかもしれない、』

そうちゃんのこと無理やりにでも引っ張ってって、……と。

いや、まさか本当に行きたくないと駄々を捏ねることはないだろう、さすがに。

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