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『赤、かな』
「ばあちゃん赤で」
「はい、これね」
キャンディの他にもいくつか駄菓子を買ってお店を出る。
今度来る時は、なんたら、というおばあちゃんの声は聞こえないふりをして曖昧に微笑んだ。
『これ、ホントにキレーだよね』
「貸して」
『ん？』
リングの部分を摘んで夕日に翳していると、湧にキャンディと左手を取られた。
「ね、A好きだよ、ちょっとだけでいいから考えといて」
『……うん、』
子供の頃と同じように結婚式の真似事をして、薬指に指輪がはめられる。
あの頃は笑いながら将来を誓ったはずなのに、今はどうしてこんなに苦しいんだろう。
「そろそろ帰る？」
『そうだね、』
「じゃあ後ろ乗って」
日が傾いて、来る時よりも寒いから。
そう理由を付けて湧の腰にぎゅっと抱きつく。
『……まだ、今も湧のこと、』
そう呟いた声はエンジン音と風の音に掻き消されて、湧の耳に届くことはなかったようだ。
……皇輝くん、ごめんなさい。
私、やっぱり、
湧のこと好きみたい。
* *
『今日はありがと、』
「うん、こっちこそ」
『寒いし上がってく？湧の鼻赤いよ』
お礼に、コーヒーの1杯くらい。
別に夜ご飯を食べてってもらってもいいし。
「……そういうこと言わないの、何されるかわかんねーぞ、」
『何かするの？』
「しない、とは言いきれないから、ほら早く家入れ、」
人が嫌がることなんて出来ないくせに。
『ほんとにいいの？』
「まじでお前危機管理能力無さすぎ」
『だって湧だもん』
「……はぁ、」
俺も男だから、と腕を引かれ抱き締められた。
湧がもうとっくに大人の男の人になったことなんてわかってる。
逃げようとしたってビクともしない。
ほらな、と両方の頬を掴まれた。
「……A？」
痛い、と言おうとしたところで、固まる。
すぐ傍から聞こえてきた、……皇輝くんの声。
「Aと、……湧ちゃん？何してんの、」
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Ageha♪(プロフ) - こんばんは、今更ながらに読ませていただきました!めちゃ感動です!３人の気持ちが理解できすぎて…。 そして「勝手に終わらせんなよ」は自粛期間中のISLANDTV「今日の川��皇輝」の星輝くん乱入シーンだと思います！ (2020年12月7日 1時) (
レス) id: aa9dee1a7a (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - S_uchimura**さん» コメントありがとうございます(^^)皇輝さんも湧ちゃんもどちらも一途なだけに書いててちょっと苦しくなっています（笑）最後までお付き合いいただけると嬉しいです……！ (2020年11月23日 23時) (レス) id: 5053b43ad6 (このIDを非表示/違反報告)
S_uchimura** - 初めまして！コメントさせてもらいますね**こーきくんとわくくん、どちらもいい人すぎちゃう笑**3人、拗らせちゃってますね〜笑ドキドキがいっぱいでとても素敵な物語、ありがとうございます（≧∇≦)続き、楽しみにしてます (2020年11月23日 16時) (レス) id: 779e43d4ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モモ
x他1人 | 作者ホームページ：https://twitter.com/nininin___2n2n
作成日時：2020年11月19日 17時
