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また、次の血の雫が落ちてきた時だった。
天女の身体が俺の腕の中にやって来た。
前までの天女とは違い、甘ったるい臭いじゃなく、血の香りが鼻をくすぐった。
「っ…」
「なんだよ、この天女…」
「なんで、平和なはずなのにこんな怪我してるんだ…」
そう。
竹谷達が言った通り、今までの天女は怪我をしたまま降りてくることなんて無かった。
寧ろ、俺達を見た瞬間、歓喜の声をあげていた。
けど、こいつは違う。
顔色は悪く、服は所々破れ、痛々しい切り傷が見える。
何より、刀を腰に差している。
「皆!」
「伊作!こっちだ!文次郎が受け止めた!」
救急箱を持った伊作がやって来た。
珍しく不運が発動していないのか、服は汚れておらず、髪も乱れていなかった。
伊作は直ぐ様天女に駆け寄った。
それと反対に、俺は後ろに下がった。
「全身が刀による切り傷だ…とにかく早く医務室に連れていかないと…っ!!」
何故か後ろに跳んだ伊作。
俺は意味が分からなかったけど、それはすぐに分かった。
伊作の左頬から、垂れる赤い血。
寝転んだまま刀を手に持つ天女。
「…まだ、いたのか…」
その言葉と同時に、天女はゆっくりと立ち上がった。
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和堂 桜(プロフ) - 面白かった。続きまってる! (2015年10月15日 6時) (レス) id: 397e69905f (このIDを非表示/違反報告)
和堂 桜(プロフ) - 了解(''◇'')ゞ (2015年10月13日 20時) (レス) id: 397e69905f (このIDを非表示/違反報告)
¢.氷室のん゜(プロフ) - 和堂 桜さん» ありがとうございます!このあとも更新するので、楽しみにしていてくださいね(*^^*ゞ (2015年10月13日 20時) (レス) id: 85258f0ff8 (このIDを非表示/違反報告)
和堂 桜(プロフ) - 更新されたもの面白っかったすよ! (2015年10月13日 20時) (レス) id: 397e69905f (このIDを非表示/違反報告)
¢.氷室のん゜(プロフ) - 和堂 桜さん» たくさんのコメントありがとうございます(*´▽)お休みなさい (2015年10月12日 21時) (レス) id: 85258f0ff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:¢.氷室のん゜ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/memoly029/
作成日時:2015年9月20日 15時