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「今か?今は室町末期じゃが…そういうお主は"平成"から来たのであろう?」
「…"平成"…?何処かの国の名前ですか?私、純粋な日本人ですが、」
「そういうことではなーい!お主、"平成"という時代の者ではないのか!?」
「…いえ、存じ上げません。私は江戸末期の者です。平成など、聞いたこともございません」
そういうと、何故か周りの人は驚いた顔を見せた。
けれど、すぐに「どうせ嘘だ」「惑わすに決まっている」等という声が聞こえる。
それに苛々すると、後ろの善法寺君がまぁまぁと焦りながら宥めてくれる。
「…して、先程の新選組とはなんじゃ?」
「新選組は、京の治安を守るために結成された、剣客集団です。
主に町への巡察、守護を仕事としております」
「ふむ…その様子からすると、お主はその江戸末期という時代からここに来たということになるのかの?」
「…信じられませんが、どうやらそのようです」
思わず目を伏せる。
自分でも信じられないのに、そんなことを信じてもらえるはずがない。
寧ろ、殺されるのが落ちだ。
「お主、行く宛はあるのかの?」
「学園長先生!何を…!」
「わしは彼女に聞いとるんじゃ!どうなのじゃ?」
そう質問された。
行く宛…か。
「怪我が治り次第早急に出て行こうと考えています。
何処か道場を紹介して頂けたら、そこに門弟として入ろうと思っています」
「そうか…しかし、この辺りには剣の道場などないぞ?」
「…無いのなら仕方ありませんが、」
"大人しく殺されるのを待ちます"
そういうと、再び部屋にいた人達は、驚きの表情を見せた。
ただ、学園長先生だけが平然としていた。
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和堂 桜(プロフ) - 面白かった。続きまってる! (2015年10月15日 6時) (レス) id: 397e69905f (このIDを非表示/違反報告)
和堂 桜(プロフ) - 了解(''◇'')ゞ (2015年10月13日 20時) (レス) id: 397e69905f (このIDを非表示/違反報告)
¢.氷室のん゜(プロフ) - 和堂 桜さん» ありがとうございます!このあとも更新するので、楽しみにしていてくださいね(*^^*ゞ (2015年10月13日 20時) (レス) id: 85258f0ff8 (このIDを非表示/違反報告)
和堂 桜(プロフ) - 更新されたもの面白っかったすよ! (2015年10月13日 20時) (レス) id: 397e69905f (このIDを非表示/違反報告)
¢.氷室のん゜(プロフ) - 和堂 桜さん» たくさんのコメントありがとうございます(*´▽)お休みなさい (2015年10月12日 21時) (レス) id: 85258f0ff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:¢.氷室のん゜ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/memoly029/
作成日時:2015年9月20日 15時