人形少女の願い

プロローグ ページ1

ねぇ、トウマさん。

あなたは、私のこと、気付いていますか？

私は人形だから、話せないし、動けない。

だけど、あなたを大切に思うことはできる。

それなら、私はずっとあなたを見守り続けます。


本当に、それだけだと思っていた。


私は、トウマさんのご両親が、人形を造る専門業の方に頼まれて造られた、この世に一体しかいない特別な人形です。まだ、トウマさんが幼い時に、トウマさんのご両親が、トウマさんが寂しく無いようにというお願いをこめて私をトウマさんにわたしました。

私は、トウマさんとずっと(学校にいるとき以外)一緒でした。
なので、トウマさんがずっと苦しんでいたのは知っています。

鬼王というやつが現れ、トウマさんが大変な事になったのも知っています。ずっと、人間になり、トウマさんを支えたいと思っていました。


神様。どうか、私を人間に変えてください……！

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