ごく普通ではない女子高生は今日も頑張る (ページ3)

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朝日が眩しい。もう朝も終わろうとしているけど。

私、あやめはカーテンを開けてすぐにピシャッと閉めた。

やっぱり明るすぎるのは苦手だよ、と小さく呟き身支度を始める。

クローゼットに押し込まれている服たちは今日は出番がないのでスルーし、昨日着たあと放り投げられていたメイド服を手に取った。

今日も今日とて館の掃除にご飯作り、庭の手入れ…と考えれば嫌になる業務をこなさなければならない。

なんで貴重な休日にこんなこと…とは思うがやらない訳にはいかないのでしょうがない、と自分を奮い立たせた。

メイド服もだいぶ着慣れてきた。

最初に着ろ、と言われた時は正直言って戸惑ったけど慣れてくれば動きやすいし、何より可愛いのでちょっとしたモチベにもなる。

スカート丈は膝丈、清潔なエプロン、胸元には紫色の小さなリボン。

派手すぎす地味すぎず、ちょうどいい…と改めて自分の仕事着を眺めていると玄関の方から
「ごめんください！どなたかいらっしゃいますか？」という声とチリンチリン、と呼び鈴の音が聞こえた。

咄嗟に５分ほど玄関ホールに入ってお待ちください！とほぼ反射的に叫ぶとたった今出てきたばかりの自室に向かってダッシュした。

来客だなんて聞いてない…！！

だけど来てしまったものはしょうがないので自分のもう1つの仕事着をクローゼットの中から引っ張り出した。

今日は出番がないと思っていたのに…。

ダボダボの白いシャツとパーカー、黒いフレアスカート、こっちは膝上丈だ。

耳に小型通信機を取り付け「来客です、対応します」と通信機の先にいる方に向かって報告した。

返事はなかった。

机の上からノート、シャーペン、消しゴムを引っ掴んで部屋を飛び出し階段をかけおりる。

あぁ、うちにもエレベーターかエスカレーターのどちらか欲しい！！つけてくれ！！と思っても今はどうすることも出来ないので3段飛ばしでかけおり玄関ホールにたどり着いた。

依頼主は玄関ホールに置かれているソファーに腰掛けていた。

依頼主は恐らく金持ちなのだろうか、ファッションブランドには疎い私でさえわかるような世界的ブランドの服で全身を固めていた。

ように見えた。

近づくとそれらが全て偽物だったのだ。所謂パチモンだ。

この時点で私は全力で自室まで逃げ帰りたかったがここまで来てしまったからにはしょうがないよな、と依頼主の女性の向かいのソファーに腰掛けた。