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ベッドで眠るAは熱が上がっているのか
寝苦しそうにしていた


「A…」


名前を呼ぶとわずかに反応した
あと何回彼女の名前を呼ぶことが出来るだろうか
考えても仕方ないことが悟の脳裏に浮かんだ



「寒い…」



うわごとの様に紡がれた言葉
ホテルの薄い布団では
高熱の病人には寒く感じるのだろう


悟は隣の自分のベッドから布団をはがすと
彼女にかけて自分の体もその横に入った


彼女の首の後ろに自身の腕を入れ
火照っている体を優しく抱きしめた



「これで寒くねぇだろ?」

「ん…さとる…」

「ん…まさか寝言?…反則だろそれ」



悟はチュッと額に唇を寄せて
愛しい体を引き寄せて眠りについた



彼女のぬくもりを忘れない様に
彼女の匂いを忘れない様に



「このまま時が止まっちまえばいいのにな」



彼女を自分の腕の中で抱きしめながら
走馬灯の様に今日までの日々を思い出していた




暗闇の中扉が開いて入ってきた女
羽交い絞めにして首を絞めたのが出会いだった

一緒に何度もご飯を食べた
Aの作る飯は何でも旨かった

ご飯の後は並んで洗い物をするのが
いつの間にか日課になっていた



いつの間にか掃除や洗濯が自分の仕事になってて
彼女の下着も普通に洗濯に出されたりして
初めはちょっとドキドキしたっけ



一緒にドラマや映画も見た
結構ビビりでホラー映画とか隣でビックってなるのを
散々からかって怒られたっけ



ほんとに
いっつも大変な時でも笑ってて



思い出すのはAの笑顔ばかりで
異世界に飛ばされた俺が不安にならなかったのは
その笑顔に何度も救われてたからなんだよ




「あ、れ…」




ーーーなんで俺、泣いてんだ?
なんでこんなに苦しいんだ…?



彼女に泣き顔なんて見せる訳にいかないから
今だけ
少しだけあふれる思いを止めなくてもいいかな?
もう二度と涙なんか流さねぇから



別れる時はお前を見習って笑顔を見せたいから
Aには笑ってる俺を覚えててほしいから




「…好きだよ。Aが好き…だ」




初恋は叶わないって誰かが言ってたのを
一人泣きながら思い出していた


.

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なのは(プロフ) - おふさん» ああぁ、、、なるほど、、、←純粋じゃないんで安心してください() (2021年5月28日 15時) (レス) id: 4035e5a938 (このIDを非表示/違反報告)
おふ(プロフ) - なのは様 コメントありがとうございます!登録までしてくださってるとは…感謝です!これは他の作品と異なり今回R18にしてないのでちょいだしの感じでの「ゴム」です。お察しください…今後ともよろしくお願いいたします! (2021年5月28日 0時) (レス) id: 727e77f416 (このIDを非表示/違反報告)
おふ(プロフ) - 澪桜様 コメントありがとうございます!大好きって言ってもらえて嬉しいです!励みになります♪ (2021年5月28日 0時) (レス) id: 727e77f416 (このIDを非表示/違反報告)
おふ(プロフ) - あいい 様 コメントありがとうございます!クズが真面目に恋愛したらを妄想しております。仕事の合間で作ってるのでお待たせすることもあると思いますが今後ともよろしくお願いいたします! (2021年5月28日 0時) (レス) id: 727e77f416 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - ゴム?髪ゴムかな?夢主ちゃんにサプライズ的な感じであげるんかな? (2021年5月28日 0時) (レス) id: 4035e5a938 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おふ | 作成日時:2021年5月21日 1時

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