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「次は山本ね。問診票見せてー。熱は無いね、体調も大丈夫と。座ってやる?寝転ぶ?」
「座ってで大丈夫…です。」
「はーい。その服肩まで捲れる?うーんちょっと抑えないと落ちてきちゃうね、須貝さーん。」
「はいはーい。俺の出番ですかいな。」
「山本の服抑えててもらって良いですか?あーそうそうそれキープでお願いします。」
あと一応反対の腕も、と水上須貝の会話が続く。水上は去年も山本の予防接種をしたので知っていた。山本は痛み刺激があった時に手が出やすい人間である。
「須貝さん。」
「ん?あんま見ないで。その…腕。」
「あぁ、了解。」
「ごめん俺には見させてね。」
山本は真夏でも長袖のシャツを着ている。素肌を出すことには抵抗があった。そのためそこにはいろ、ただし見るなとメンヘラ彼女かと思うような要求を須貝にしていた。
「アルコール使っても大丈夫ですね?…はい、打つから向こう向いてくださーい。」
「っ、い…!」
「大丈夫大丈夫すぐ終わるって。」
「もう終わるよー3.2.1はいおしまい!お疲れ様でした〜。」
止血のための絆創膏が貼られた瞬間袖を元に戻した山本の顔を須貝が覗き込むと、その目にはギリギリまで涙が溜まっていた。
「よう頑張ったな〜お疲れ様。帰りにお菓子買ったる。」
「子供じゃないんですから!…グレープフルーツのゼリーでお願いします。」
「あれな、山本の顔がついてないやつにしような。」
須貝に反抗しながらもすぐに対応を変えて素直に甘える山本を見て水上は「午前中こんな子供いたなぁ…」と思う。口に出すと叱られてしまうので言わないが。
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匿名希望 - なにわ男子とini、jo1、befirstも追加して下さい。あとa teamsも。 (4月27日 17時) (レス) id: 3780771c00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sunny | 作成日時:2023年12月20日 22時