東大生らが、シェアハウスしてみた〜！ (ページ2)

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「さぁて出発するよ〜。」

「行きたくない行きたくない…。」

運転席に福良、助手席に河村、後部座席に伊沢須貝山本が座り、レンタカーが動き出した。伊沢は朝からずっとぶつぶつ文句を言っていて、山本はそれとは対照的にずっと静かだった。

「どうせ打たないけんのやから知り合いに打ってもらえるなら良かったやん。知らん人やったらはい行きますよーゆーて流れ作業のように打たれるで。」

「そうだけど、そうなんですけど…！」

伊沢がどれだけ嫌がっても、河村の正確な案内と福良の運転で車は目的地に到着する。行きは誰の運転でも良かったのだが、帰りはおそらく福良しか運転できないということで道を把握するため行きも福良の運転だった。駐車場に車を停めて、嫌がる2人を半ば引きずるように院内へ連れて行く。

「あ、僕ちょっと車酔いしたんでまた後日に…。」

「いけるいける、熱無かったら打ってもらえるよ。」

ある程度顔が知られていることと時間がかかること、大所帯であることなどの理由から処置室の一つが用意されていた。順番が回ってきたら水上がこの部屋まで来てくれるそうで、それまでに記入しておくよう問診票と体温計が渡されていた。河村がすらすらと書き込んでいく隣で伊沢と山本は最後の抵抗を続けている。

「あれ、僕って今いくつだ？」

「同い年だから30歳でしょ。あ、誕生日まだだから29か。」

「そうか29か。29、か…。」

河村が何やら違うことに落ち込み始めたが生憎それに構っている余裕はない。

「予防接種で具合が悪くなったことはありますか、えー、はい。いつ？いつ！？分からないなぁ…いいや空欄で。」

「ねぇーほんとにやだ受けなきゃダメ？絶対インフルなんてかからないから！」

「毎年打ってるからかかってないだけでしょ。仕事たくさん頂いてるんだから穴空けるわけにいかないよ？」

「うー…。」

独り言を言いながら問診票を埋めていく河村、やだやだと喚く伊沢を眺めながら問診票を書かせる福良、無言のままペンを走らせる山本とそれを見つめる須貝、とバラバラすぎる5人。共通するのは、早く帰りたいという気持ちだけだった。

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