江&白「No.42」 ページ46
その夜。
風呂にも入り、無性に外の空気が吸いたくなった俺は合宿所の外にあるベンチに来ていた。
人気もなく、心が落ち着く。
色々と大人の事情が入り、長い合宿のハズが、あと3日。
江理子は俺がいないって騒いでるだろうな(笑
ふふっ、青城を選んで正解だったな。
毎日が楽しい。
でも、やっぱり本当の俺を打ち明けはできないな。
『拒絶』されるのが目に見えてる。
きっと、皆んなそうだ。
俺を避けるに決まっている。
––––『なぁ、アイツの家––––なんだって』
––––『えー、じゃ関わらないでおこ。なんかあった時殺されちゃう』
違う。俺の家はそんな事はしない。
あーぁ、俺ってこんなにしみったれた奴だったっけ。
江理子や夕、若利に鷲匠監督、京治がいてくれるんだから。何も悲しむ事は無い。
今まで通りじゃないか。何を悲しむ必要がある。
貴「今のままが1番」
松「何が？」
貴「…………気配を消して現れねぇでください」
松「消したつもりないけど？」
貴「はぁ。選手がこんな所に、いていいんですか？明日はもっとハードですよ」
松「んー、部屋は及川達が枕投げしてるからどっちにしろ寝れねぇし。……あ」
あんの、馬鹿！！
大人しくしてろって言っただろうが！！
貴「アイツのメニュー明日倍にしてやる」
松「(及川、スマン。悪気はなかった」
貴「で。本当にどうしたんですか？」
松「俺が樋野に会いたかったから」
は？え、ちょ、待っ！？！？
確かに俺は松川の事好きだけど。
………え？
俺松川の事好きだったの！？
いや、でもこれは違う奴だ。
いいか落ち着け落ち着くんだそういう意味じゃない。絶対に違う。
俺は、常に冷静でなくちゃならないんだ。
落ち着け。
貴「心のケアは専門外ですよ」
松「そういう事じゃねーんだよなぁ」
貴「はぁ、言いたい事ははっきりと。じゃないと脳天ぶち抜かれますよ」
松「物騒だな。じゃ、はっきり言うぞ。樋野、––––好きだ」
貴「っ…………」
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作者名：結乃栞 | 作成日時：2019年7月25日 22時
