貴&天「No.32」 ページ37
次の日、昨日貰った資料を監督が見ながら皆んなに話している。
明らかに及川の顔が歪んでいる。
ハッ、ざまぁ。
入「–––––と、言うことだ。他校に迷惑はかけるなよ」
全 -「おっす！」
及「はぁ、何でウシワカ野郎も一緒なの？」
岩「いつまでグダグダ言ってんじゃねーよ。さっさと資料を寄こせ」
花「まぁ、白鳥沢が合同合宿に参加するって言う事自体珍しいからなぁ」
貴「そんなにか？」
松「まず、県内の高校と練習試合はしねぇな」
それは、他校に失礼すぎんだろ。
今度シバく。
溝「あ、いたいた。樋野」
貴「あ？あぁ、コーチ」
溝「ぉう。何で喧嘩腰なのかはこの際置いておこう。で、お前の仲のいいやつで合宿手伝ってくれそうな奴、いるか？」
貴「いや、喧嘩腰なのに関しては師匠に文句を。多分手伝の件に関しては大丈夫だと思いますよ。ただ」
溝「ただ？」
江理子は、絶対頭下げろとか、言いそうだな。
貴「俺からじゃなくて、主将が頭下げないと手伝ってくれねぇですよ」
溝「まじかー」
貴「ま、出来るだけフォローはしますが」
はぁ。
何か俺、高校入ってから面倒事が増えてねぇか？
胃が痛い。
〜美術室〜
江「で？ウチの貴重な製作時間を��わざわざ��使ってまで話したい事って………何？」
及「(汗」
はぁ、やっぱりこうなったか。
貴「江理子、コーヒーと抹茶菓子」
江「はいよー！」
めんどくさいので、準備室1と書かれた部屋に入る。
中にあるのは牛革のソファ。
置いてあるティーセットはバカラのものばかり。
なにより、驚くのはここにキッチンがある事だろう。
及「学校で何やってんの！？」
江「使えるコネは使うのがウチだよ？」
貴「清々しい程、はっきり言うよな」
江「まあね！」
及「(ハッ そうじゃなくて！」
殴り、貰わなきゃいいな。
ふぁー。眠いな……寝るか。
目を覚まし、2人を見てみると––––––––
上機嫌で絵を描いている江理子と、床でくたばっている及川。
おい、題材はそれでいいのか？
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作者名：結乃栞 | 作成日時：2019年7月25日 22時
