真夏の向日葵 (ページ4)

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いつも放課後デートの帰り道は、私の家の前まで。
気づけばそれがお決まりになっていた。

『じゃあ、ね。』

「うん、あ、明日教科書返せよ。」

『分かってるよ！
ロッカーに突っ込んでおく。』

「やだ、ちゃんと渡して。」

『今そんなロッカー汚いの？』

「ちが、……うん、だから直接。」

『じゃあ朝行くね。』

「分かった。」

海斗が手を振ってくれてる中、私は家に入った。
そんな家に入るまで気にしなくていいのに…。

夕ごはんを食べたの後、自分の部屋に戻って棚の1番下の引き出しを開けた。

映画のチケット、プリクラ、誕生日プレゼントや手紙。
全て2年分の海斗との思い出。

全部に思い出があって、どの瞬間も好きだなぁって思える。

……でも、それと共に悲しくなる。
最近、海斗が彼氏と言えるのか、よく分からない。

私には男友達がほとんど居ない。
でも遊んだり、教科書貸したり、この関係が友達とすることと変わりないことは分かってる。

中学3年生、まだ付き合いたての頃はお互い慣れてなくて、でも楽しくて、デートっていうデートしたり、好きってお互いに言い合ったり、キス…してみたり。

恋人っぽいことしてたと思う。

今はそんなこと何も無い。

好き、なんて聞いたの、いつなんだろう。
思い出せないくらい前だ。

私の気持ちと海斗の気持ちは同じベクトルなのか、私にはよく分からない。

『…付き合って2年ってこんなもん、だよね。』

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