真夏の向日葵 (ページ23)

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『海斗、1つ聞いていい？』

「うん。」

『私ね、海斗と付き合ってる事が嬉しいの。
でも海斗は最近そう思ってないのかなって思ってる。』

「は？なんで？」

『だって冷たいし、手も繋いでくれなくなったし、遊んでても好きとかもないし。
私の事、彼女じゃなくて友達として見てるのかなって。
……それだったら、もうこの関係じゃない方が…』

「好き。」

急な言葉に驚いて顔を上げると、綺麗な海斗の瞳と視線が重なる。

「友達なんて思ってるわけねぇじゃん。
Aのこと、彼女……って思ってる。
思ってるけど……」

『けど？』

「男の事情ってのがあんの！
中学までは好きだって思ってるだけだった。
でも高校になったらその先のこと考えて………先走って変なことしてAのこと傷つけたら嫌だし。」

恥ずかしそうに頭をかいていて、可愛いなと思ってしまった。
まさかそういう理由だとは思わなかった。

「でもそれで気にしてる方が傷つけてたんだな。」

『寂しかった。』

「じゃあ今度からは正直に言う。
でも嫌だったら言って。
俺の中でどうにかする。」

『どうにかするって…。笑』

「今日めっちゃ可愛いよ。
朝から言いたかったけど、言えなかった。」

久しぶりの好きな人からの褒め言葉は、耐久性がなくて心拍数が上がる。
可愛くしてきたのに、いざ言われると恥ずかしい。この擽ったさが恋の印だなぁと思う。

嬉しくてニヤけるのを我慢してたら、空いていた左手を海斗が大きな右手で包んだ。
海斗の手はいつも以上に温かくて暑いけど、それさえも嬉しかった。

ひまわり畑を、2人で一緒に歩いた。
ひまわりの花言葉は、"あなただけを見つめる"。
帰り道にあった小さなボードにそう書かれていた。

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